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悪魔のネタその⑥~アスモデウスの引抜~

 注意:この以下略


 この定型文も残り二回の予定。悪魔のネタです。


 あまりメジャーでは無い”七つの大罪”ブービー賞は、東方の悪魔の首座アスモデウス様です。

 この『名前は聞いたことあるけど、どんな悪魔だっけ』感……?!!

 魔王サタン、堕天使ルシファー、悪霊の主ベルゼブブ、最強生物レヴィアタン――燦然と輝く大悪魔と肩を並べる存在のはずなんですがね。



○”色欲”東方の悪魔の首座アスモデウス


 いつも通り名前の意味や語源を解説したいところですが、先にアスモデウス様の功績を解説しよう。


 昔々、大悪魔アスモデウスはサラという女性に取り付きます。

 そしてサラが結婚するたびに夫を殺していました。

 アスモデウス新婚初夜殺人事件が七回ほど繰り返されたとき、アザリアという若者が『魚の肝を香炉に入れて焚けば結婚しても大丈夫』とサラに助言します。

 サラが八度目の結婚をするとアスモデウスは、さっそく夫を殺そうとしますが香炉から漂う煙に燻され追い出されてしまいます。

 アスモデウスは、アザリア(実は大天使ラファエル)に捕まりエジプトに流刑&封印される。

 めでたしめでたし。


 追記:”色欲”を司るアスモデウスだが新妻サラには手を出さなかったとのこと(紳士である)。


 ベルフェゴールがベオル事件(冤罪)の二万四千人粛清で名を挙げたのに対して、アスモデウス新婚初夜殺人事件のなんと奥ゆかしいことか。


 こんな控え目な悪魔がどうして魔王サタンや堕天使ルシファーと同列にあつかわれるのか?

 それには某一神教のイメージ戦略があったのです。



○古代ペルシャの悪神アエーシュマ


 ここでやっとアスモデウスの名の由来。

 アスモデウスとは、ペルシャ語でアエーシュマ(暴虐)・ダエーワ(悪の神)が語源だ。

 ダエーワが悪の神全般に対する名詞で、アエーシュマが個体名となる。


 アエーシュマは古代ペルシャ某拝火教の神であり名前のまま暴虐を司る。

 この某拝火教は世界最古の宗教の一つであり、アエーシュマも世界最古の悪神の一柱となる。

 なお上司は絶対悪そのものであるアンラマンユで、アエーシュマはその副官格。

 世界最古だけあってアエーシュマは各地に出向して英雄、救世主、善神などと戦い――敗れている。

 転勤先はギリシャ・ローマからインドまで複数の文化圏及び神話に及んだ。

 これはアエーシュマがそれだけの力を持つ悪神と認知されていた証左となるだろう。

 各々の英雄達は、巨悪アエーシュマを討つことによりその善性と正当性を示したのだ


 そしてそれは某一神教も当然ながら同じである。


 約束の地カナンの『東』で『悪の神』の中でも特に凶暴な『アエーシュマ』を大天使ラフェエルが退治することで唯一神の知名度と地位の向上を狙ったのだ。

 更にアエーシュマを元智天使の堕天使とすることで『東の地で有名なあの悪魔でさえ唯一神の創造物なのです』と宣伝。

 これはもう出向というより転職。


 レヴィアタンの一件と同じで悪役アエーシュマは引抜き――ヘッドハンティングされたのだ。


 もっともロタンが地中海東岸の怪物からワールドワイドの大悪魔レヴィアタンへの転職だったのに対して、アエーシュマはギリシャ~インド間で名を知られた悪神から大悪魔(笑)アスモデウスなので明らかに降格人事といえるだろう。



○”色欲”というより”狡猾”


 元暴虐の悪神なのに某一神教に引抜かれてからの彼はどちらかというと知性派だ。

 七十二柱の悪霊を従えたソロモン王から、悪霊の支配に必要な指輪を言葉巧みに奪ったりしてる。

 その後ソロモン王に化けて王のハーレムを乗っ取りもした(ただし指輪を取り戻したソロモン王に負かされる……というかこのハーレム乗っ取りが”色欲”を司る理由?)。

 堕天使らしく――堕天使の罪には人間に禁断知識を与えたことも含まれる――幾何学や天文学の秘術を教えてもくれる。


 やはり英雄相手に暴れまわる元の立場から考えると大悪魔アスモデウスは知性派っぽい。



○創作ネタ


・イメチェンに挑戦した大悪魔


 暴虐・凶暴・苛烈・凶悪などなど脳筋なイメージが染み付いた大悪魔がとある女悪魔に恋をした。

 豪快に告白するも『知的な悪魔が好きなの』と断られてしまう。

 だが実は紳士な大悪魔、強引な手段には出ず自らの脳筋イメージの払拭するため『エレガントにクールにジュエントルに』を口癖に知的悪魔への道を踏みだす。

 狡猾に立ち回ろうとする彼が見事知的悪魔になれるのか、失敗して力に訴えるのかは……書き手次第。 



・偽者の出現に悩む大悪魔


 世界各地で暴れまわる大悪魔グレートアスモ。

 しかし人気者ゆえか偽者が現れる。

 『アスモが食い逃げしたってよ』

 『アスモが豚を盗んだ』

 『落書きにアスモ参上と』

 『不倫していた夫がアスモに包丁で刺殺された』

 とありとあらゆる悪事がアスモのせいに。

 同僚の悪魔からも『アスモさん最近せこいな』『大悪魔(笑)』『グレート(笑)』と陰口を言われてしまう。

 自らの豪放でグレートなイメージを守るため偽者退治を決意するアスモさん。

 しかし基本脳筋な彼にいい手段が思いつくはずもなく……

 部下に任せるか、頓珍漢な行動にでるか、異世界から勇者を召喚して偽者を倒させるのかは適当に。



 なんというか知的に見せて実は凶暴というと冒○王ビ○トの敵役グ○ニデを思い出す。

 最近連載再開したらしい。

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