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悪魔のネタその④~レヴィアタンの出世~

 注意:この作品は作者の個人的な妄想ネタ帳です。実在以下略。


 今回も悪魔のネタです。

 というか”七つの大罪”なので⑦までいきます(ただし予定は未定)。


 元異教の神ベルゼブブ様に続く”七つの大罪”は、地獄の海軍大提督レヴィアタン様です。

 役職は、悪魔の辞典(1811年初版)から。



○”嫉妬”地獄の大提督レヴィアタン


 水から生まれた悪魔らしく、姿は巨大な海蛇もしくは竜・鰐・鯨。

 名前はヘブライ語で”ねじれた”、”渦巻くもの”を意味するレヴィアタン。

 豆知識だが、アイルランドの蛇神クロウクルワッハも語源は”忌まわしき渦巻き”だったりするので、蛇系定番の名前なのだろう。

 レヴィアタンも他の魔王と変わらずリヴァイアサン、レビヤタンと各地の言語に合わせた呼び名が複数ある。


 地獄の大提督レヴィアタン閣下はルシファー、ベルゼブブに続く悪魔の第三位とまで言われているのだが……悪魔としての業績が無い(魔王サタンは何処行った? ツギハギ履歴だからはぶられたか?)。

 ルシファーやベルゼブブのように天界覇権戦争に挑んだとかの話も無い。

 堕天使だったとかも無い。

 ”嫉妬”関連の逸話も無い。


 理由はレヴィアタン様が悪魔に転職したのは実はつい最近だからだ。



○神の創造した海の怪物レヴィアタン(ただし非常食)


 悪魔レヴィアタンの前職、それは……最後の審判の非常食だ。

 最後の審判とは――唯一神の信徒だけ不老不死にして残りは処刑という神裁判。

 そもそもレヴィアタンは、唯一神により雌雄の海の怪物として創造された。

 しかしあまりに凶暴ゆえ雄は殺されてしまう。


 更に夫を殺されてしまった未亡人レヴィアタンにも悲劇が待ち受けていた。

 最後の審判の際に食料として饗されことを課せられたのだ。

 そのため最後の審判まで死なないように無敵の肉体にされ最強生物になったとか。

 対になる陸の怪物ベヘモットも食料とされるがこちらは象や河馬。

 凶暴だからと夫を殺され、自身は海産物として調理されるレヴィアタンに涙。


 この仕打ちは唯一神の力を誇示するためのものである。

 凶暴な怪物を打ち倒す力と食料を齎す恵みの力。

 二つの権能は当時の神にとって重要なものであった。

 ベルゼブブの前職である嵐と慈雨の神バアルも、稲妻で敵を打ち倒し雨で砂漠に恵みを齎すゆえに最高神の地位を得ていた。

 『どんな恐ろしい敵が来ても大丈夫! 食料もあるから餓える心配ないよ!』と喧伝してるのだ。


 そんな唯一神の引き立て役のレヴィアタンちゃんが何故悪魔になってしまったのか?


 ずばり中世欧州における悪魔像が原因である。 

 中世欧州において蛇とは竜であり、竜とは悪魔であるという考え方があった。

 前述のように海の怪物レヴィアタンちゃんは、巨大な海蛇の姿。

 中世の世界地図を見ると海を泳ぐ巨大な海蛇レヴィアタンが描かれている。

 そこから(海)蛇=竜=悪魔の三段論法で大悪魔に列せられたのだ。


 司る罪が”嫉妬”なのは、人間が楽園を追放される原因をつくったのが蛇であり、その理由が蛇の人間への”嫉妬”だからという説から。

 楽園追放の蛇は、サタンだったりルシファーだったりベリアル(ベルゼブブの分霊)だったり特定されてはいないが、レヴィアタンに風評被害があったというわけだ。


 未亡人&海産物という過去を持つ悪魔レヴィアタン。

 すでに属性盛り過ぎじゃね? と思うがまだまだ過去がある。

  


○海の怪物ロタン


 カナン近海(地中海東岸)にて恐れられていた海の怪物ロタン(もしくはリタン)がレヴィアタンの原典だ。

 ベルゼブブの項でも触れたが、嵐と慈雨の神バアルに退治された海の怪物である。

 七頭の蛇とも言われている(八岐大蛇、ヒドラ、九頭龍など様々な神話に登場する多頭蛇の一種)。


 完全に私の推測だが、ロタンは海難や水害が怪物となったものではないかと思う。

 調べると地中海東は地震とそれによる津波が発生していると記録が見つかった(波高90mとか?!)。

 他にも六月から十一月は、純帆船の航行が困難になるほど海が荒れるそうだ。

 

 以上から海の怪物ロタンを嵐と慈雨のバアルが倒すとは『津波の届かない高所や丘の上などの安全地帯を住居や耕作地とするべき』という教えかもしれない。

 または海が荒れる季節(六~十一月)から海が穏やかになる季節(十二月~五月)の変化を意味しているのかも。


 他にバアルはモートなる死の神を倒して五体をばら撒き肥料としている(豊穣神のお仕事)。

 こちらはレヴィアタンの相棒であるベヘモットの原形との説もある。


 ロタン退治の一件はベルゼブブの項でも書いたが、唯一神を称えるためレヴィアタン逸話として吸収されたのだろう。


 さて、海難・水害の化身と推測した海の怪物ロタン。

 彼(彼女?)は、凶事であり最初から倒されることを望まれる存在なのだ(悪役とも)。

 そんな地中海東岸でバアルの引き立て役をしていた海の怪物が、未亡人&海産物となることで世界中に知られる大悪魔へと昇り詰めた。


 本人(本蛇?)としては不服かもしれないが悪役としては大出世といえよう。


*ただロタンも遥か昔には、神として崇められていたかもしれない……名すら伝わらぬ神として。



○創作ネタ


・悪魔であり非常食


 悪魔が狩られる世界。

 悪魔は珍味として美食家の間でもてはやされているとか?

 怖い世界だが思いついてしまったのだから仕方が無い。

 だが意思疎通可能な存在を晩餐に並べるって……人間が言ったら駄目か。

 または悪魔料理人が究極対至高!!

 究極側はレヴィアタン。

 至高側はベヘモット。

 悪魔保護官とか出てきそうだな。

 『その悪魔は、悪魔保護条約で狩猟が禁じられている!!』とか。


・ベルゼブブと同教


 同じ魔王軍所属だが仲が悪いという設定はどうか。

 やられ役でいる立場に我慢できず……

 魔王軍内部での対立原因とかありかも。

 夫を殺されたとか。

 昔、付き合っていたとか……ドロドロの軍内愛憎劇。

 

・無敵の体から


 伝説の武器防具をつくる材料とか?

 レヴィアタンの鎧とかベヘモットの剣とか?

 八岐大蛇ぽいか。

 神に殺されたという雄のほうの肉体を探索するとか。

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