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悪魔のネタその③~ベルゼブブの前職~

 注意:この作品は作者の個人的な妄想ネタ帳です。実在する宗教団体とは以下略。


 今回も悪魔のネタです(なんと初のその③)。


 ツギハギ履歴の魔王サタン様に経歴偽称の堕天使ルシファー様とちょっと残念な悪魔が続く”七つの大罪”。

 三番手は悪霊の主ベルゼブブ様にお願いしよう。



悪霊デーモン

 

 今更だが悪霊について説明。

 ベルゼブブ様の立場を理解するには必要なのだ。

 悪霊(デーモン)の語源はギリシャ語のダイモーンで、意味は神秘的な存在。

 本来は人と神々の間のもろもろを善悪問わずに示す言葉なのだが、某一神教により異端&異教の存在全般への蔑称となってしまった。

 現在、悪霊(デーモン)は魔王・堕天使・悪魔及び唯一神と直接対立していない異教の神々とその眷属を意味すると考えていい。

 悲しいことに八百万の神も悪霊(デーモン)と一纏めにされたりする。



○”暴食”悪霊の主ベルゼブブ


 蝿の王。

 大悪魔。

 地獄の最高君主。

 ……なんという大物感溢れる二つ名でしょうか。

 魔王サタンや堕天使ルシファーに勝るとも劣らない悪魔――それがベルゼブブ様です。


 では毎度のようにその語源から(これ作者の癖です。なんというか語源や言葉の由来を知りたくなる)。

 ベルゼブブは、ヘブライ語でバアル(王もしくは主)・ゼブブ(蝿)は元であり意味はそのまま蝿の王や糞山の王。

 蝿とは死者にたかる悪霊の運び手であり、ベルゼブブはその主ということになる。

 魔王サタンより具体的で、堕天使ルシファーより悪魔らしい名だと思える。


 蝿の王ベルゼブブも先の二大悪魔と同じく多くの名を持っている。

 ベルゼバブ、ベルゼビュート、ベールゼブブ、ビーゼルベバブなどがそれだ。


 彼はその名に相応しく主としての側面が強い悪魔だ。

 一説には堕天使ルシファーと同じ元熾天使(天使の最高位)。

 堕天使ルシファーが唯一神と争ったときも側近として戦っており、蝿騎士団という軍事組織もある。

 この蝿騎士団は、著名な悪魔アスタロトが所属していたりする(このアスタロトさん重要な悪魔です)。

 といいますか恐らく魔王サタンの履歴における『悪霊の王』関係はこのベルゼブブ様が元になっているのでしょう。

 ベルゼブブは敵対者(サタン)の一体ということです。


 しかし不思議です。

 堕天使ルシファーに匹敵する元熾天使の語源が悪霊の主・蝿の王って。

 そもそも唯一神の創造物である天使につける名じゃありませんよ。

 そう! なんと悪霊の主ベルゼブブ様も経歴の偽っていたのです。



○”気高き主”バアル・ゼブル


 約束の地カナンにて信仰されていた多神教の最高神、嵐と慈雨の神バアル……それがベルゼブブの真の姿である。

 『バアル』はセム語で主・王、『ゼブル』は高貴な・気高きを意味しています。

 つまり嵐と慈雨の神バアルの尊称の一つが”気高き主”バアル・ゼブル。

 

 なんとベルゼブブ様は、唯一神の元から離職した堕天使どころか競合他社の(しかも最大手)最高神さんだったのだ。


 嵐と慈雨の神バアルは、棍棒(稲妻)で悪神を打ち倒し、雨により砂漠に実りをもたらしていた。

 砂漠では雨の神が豊穣をもたらすと崇められます。

 日本人と赤道付近の人では感覚が違うので地方の特色がでてますね(最高神=太陽神な神話ですから)。

 そんな最高神バアル様、偉大な神な証として別名というか尊称が多い。

 バアル・ベオル(ベオル山の主)、バアル・ゼフォン(北の主)、バアル・サパン(サパン山の主)、バアル・ハンモン(群集の主)、バアル・ハダト(主の中の主)などなど。


 ちなみに何々山の主とかは、山の上には神殿や都市があったからだ。

 山の主=神殿の主=神様と解釈してほしい。


*なお各地の別の神が(バアル)として表現されていたパターンもありゆる。ただし他の神々(海神ダゴンや死神モート)はちゃんと個別に名をもっているのでバアルは最高神を示す固有名だったのだろう。



○仁義無き神々の戦い


 各地で神として崇められていたバアル様がどうして某一神教で蝿の王などと呼ばれ悪魔になっているのか?


 ぶっちゃけるとネガティブキャンペーン。


 某一神教にとってバアル様が信仰されていたカナンは自分達の土地なのだ。

 根拠は、唯一神と『カナンの地はお前たちにあげる』と契約したから(だから”約束の地カナン”)。


 その契約履行には業界最大手のバアル様は邪魔だった。


 だからバアル様の尊称であるバアル・ゼブル(セム語)を音のよく似たバアル・ゼブブ(ヘブライ語)に読み替えて蝿の王、悪霊の主と罵ったのだ。

 またバアル様を堕天使――つまり唯一神の創造物ということにして唯一神の地位向上を図った。


 恐ろしいことにこれでまだ序の口なのだ。

 以下に羅列するのは某一神教の悪魔である。


 ベルペオル、ベルフェゴール、ベリアル、べリス、ビレト、バエル、ベリト……


 なんか似てる名前が並んでるな~と思ったでしょう。

 これらは全部バアル神を元にした悪魔です。

 某一神教は、バアル様の尊称をそれぞれ別の悪魔として引き裂き(分霊化)貶めたのだ。


 ネガキャンによる経営破綻されたバアル様の分身の一つ――それが悪霊の主ベルゼブブ様。

 二つ名である悪霊の主というのも『異教の存在の主』となる。


 なおバアル様と同郷(同教?)の悪魔も多い。

 上記の蝿騎士団に所属していた悪魔アスタロトは、バアルの妻である女神アスタルトが起源だ。

 他にも有名なもので、


 ルシファーが神に成り代わろうとした一件=バアルの兄である明けの明星の神アッタルのクーデター未遂事件

 地獄宮廷のパン製造管理悪魔ダゴン=バアルの父である海神ダゴン

 終末用非常食である海の怪物レヴィアタン=バアルが退治した海の怪物レタン

 終末用非常食である陸の怪物ベヒモス=バアルに退治されその身を肥料にされた死神モート


 とバアルの関係者が悪魔にされたりバアルの功績が奪われている。



○創作のネタ


・魔王と思って倒しに行くと……!?


 テンプレで異世界召喚された勇者が神から魔王退治を依頼される。

 しかしいざ対面してみると勇者を召喚した神が侵略者で、魔王のほうが異世界の創造神。

 家族や信徒を害され自身も衰えた魔王の姿に、躊躇する勇者。

 そんな勇者に神は『もとの世界に戻れなくなるぞ』と神託を下す。

 なお神が魔王を直接殺しにいかないのは面倒臭い、怪我をしたくない、最期の呪いとか反撃が怖いなど適当に理由をでっちあげる。


・雨神と太陽神の争い


 環境の厳しい地域の雨の神と環境の恵まれた地域の太陽の神。

 二柱はどちらもお互いの地元で最高神と崇められていた。

 砂漠では雨が喜ばれ太陽は忌避され。

 水が豊かな地では日の光が喜ばれ大雨による水害は恐れられた。

 ひょんなことからどちらが真に最高神に相応しいか争うことに。

 直接戦うと大災害が起こる。

 神の代理として選ばれた人間の戦士は、お互いに勇者と魔王と呼ばれ……


・引き裂かれた神格


 これまたテンプレ召喚された勇者。

 神より世界を滅ぼそうとしている七体の魔王の退治を依頼される。

 しかし実は七体の魔王は、古代の英雄に引き裂かれた神の一部であり勇者に倒されることで神は完全体に戻っていく。

 どうして神は引き裂かれたのか?

 神が完全体に戻ると何が起こるのか?

 神が魔王にならなかった理由は?

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