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子供の遊びのネタ

 さて子供の遊びのネタである。


 なぜ子供の遊びのネタ? と思う方もいるだろう。


 これまでのネタは異世界ファンタジー(ハイファンタジー)を書くためのネタであり、”子供の遊び”はネタに感じられないからだ。


 はっきり言おう”子供の遊び”はネタになる!


 なぜなら私がとある異世界モノで『ああ異世界だな』と感じさせた表現が”子供の遊び”だったからだ。

 そうあれは、今から数十年前……某有名アニメ映画の一幕だった。


 二人の子供が『チンカラホイ』と呪文を唱えるとふわっと二個の小石が飛び跳ねて空中でぶつかりあったのだ。おはじきやメンコに相当する子供の遊びに魔法が使われる世界――即ち異世界。


 いや~今思い返しても本当に分かりやすい表現だった。


 というわけで中世ファンタジーぽいっと感じさせることができる遊びを調べてみた。ついでに異世界ならではの創作遊戯なんかも。


○中世ファンタジーぽい子供の遊戯


・お手玉遊び:ただし使うのは羊や豚の骨。家畜の足根骨(足首の辺りの骨)が手ごろなサイズ&丸い形状で子供のおもちゃに丁度よかったようなのだ。可愛らしい女の子が羊の骨でお手玉――シュールだが現代日本と違う世界だと読者に伝えることができるだろう。


・人形遊び:例えば粘土を素焼きにした人形。樹脂製品の無い中世、人形の材料も限られてる。布を使った人形以外に粘土製の人形なんかもあった。ファンタジー世界ならゴーレムとか子供のおもちゃになってるかも。


・祭壇ゴッコ:教会の神父様を真似て祭壇(適当な台や石)を準備してミサを執り行うのだ。戦隊ヒーローごっこみたいものだろう。まあ、実際に神さまのいる世界なら奇跡が起こったりするかもしれない(それこそ遊戯の神様とか)。もしくは奇跡の独占を狙う宗教団体があるなら祭壇ゴッコは禁止されているかも。


・仮面遊び:悪魔や鬼に魔女などの仮面を付けて人を驚かしたりする。町全体で仮装するなんて祭りもあるらしい。もし本当のモンスターがいる世界でそんなことをするといろいろアクシデント(物語のネタですね)が起りそう。

 なお仮面は化粧などに並んで本来の自分を違う自分に変身させる手段として用いられる。仮面を被ると人から悪魔に変身するとかギミックアイテムとしてもオススメだ。


・小鳥遊び:丁字型の棒に捕らえた小鳥の足をヒモで結び、飛び立とうとする様を楽しむ遊び。小鳥と遊ぶのではなく小鳥で遊ぶのだ。少々残酷かもしれないが中世的ポケなモンなのかも。

 小さな魔獣などを愛玩用に飼育させるのも異世界観がでるだろう。


・鬼ごっこ:どこがファンタジーと思うだろう。しかし考えてみて欲しい……魔法や特殊能力がある世界の鬼ごっこを。空を飛ぶ、瞬間移動する、未来予知に透明化などどこが子供の遊びだ、と言いたくなるような展開を。登場する子供たちの能力も紹介できて一石二鳥だ。

 転生した主人公とその仲間になる幼馴染達(特殊能力持ち)の鬼ごっこ。それだけで物語の冒頭エピソードができる。


・棒馬:馬の頭を模した飾りを取り付けた棒に跨りするお馬さんごっこ。騎士なりきりごっこの道具とも。いかにも騎士と魔法の世界にありそうな子供のおもちゃだと思う。

 魔法のある世界なら棒馬に馬の鳴き声がでる魔法がかかっていてもいいだろう。魔獣のいる世界なら馬の頭ではなくドラゴンやグリフォンの頭が飾られているかもしれない。


・輪回し:樽の箍(金属や木の輪である)を回して遊ぶのだ。フラフープと考えればいい。樽の箍を使うことで中世ぽさを出せるだろう。ついでに小ネタだがダーツ遊びの的はもともと樽の蓋を使っていたらしい(なおダーツは槍の穂先)。


・風船:だが素材は豚の膀胱。いやマジで。実は球技などに利用するボールも球状の木を布で巻いたものの他に牛や豚の膀胱なんかメジャーだった。上で紹介したお手玉も含め案外子供のおもちゃは家畜を素材にしている。家畜を解体時、膀胱は子供たちにとってお宝だったのだ。


・積木煉瓦積み:ブロック遊びの中世版。最近だと知育玩具は樹脂製で積木も珍しいし煉瓦で遊ぶことはまずないだろう。ただこの煉瓦積み遊びとしての意味以外に家造りの練習という側面もあったようだ。井戸掘りごっこという遊びもあったようで職業訓練ともとれる。


・目隠し鍋たたき:鍋を逆さにおいてそれを目隠しした人物が棒でたたく……早い話が鍋を使った西瓜割り。西瓜のない世界で西瓜割りをしたい人がいるかもしれないので記しておく。


・指骨遊び:あー家畜玩具シリーズ第三弾。牛や豚の指の骨(円柱状)を一列に並べ、そこに大たい骨(棒状)を投げて倒す。現代でいうボーリングみたいな遊びだ。今更ながら衛生的にどうなのだろうか?


・行列遊び:女の子なら花嫁行列、男の子なら騎士行列と現代でいうと電車ごっこ系のあれだ。花嫁役は花冠被り、騎士役ならば木の槍に樽の蓋の盾を構えて、皆で皆でねり歩く。

 魔法使いが重用される世界なら魔法使い行列なんかもあるだろう。つまりはその異世界で子供たちが憧れる職業を自然に描写できるのだ。便利な遊戯である。


 なお今回取り上げたのは中世ファンタシーぼい表現に使えそうな遊戯だ。

 他にもしゃぼんだま、馬とび、竹馬、縄跳び、逆立ち、かけっこ、おままごと、でんぐり返し、かくれんぼ、独楽回し、木登り、踊りなどなど普通に現代でもされている遊戯を中世の子供たちもしていた。

 あくまでネタに使えそうな、雰囲気出しに利用できそうな遊戯を取り上げているのだけなのでご注意を。


 さて純粋に異世界独特の遊戯を考えてみようか。


・異世界の素材:例えば空を泳ぐ魚がいる世界でその骨を利用してフヨフヨ浮かぶ玩具が作れるとか。水に入れると泡を出す石とか。ドラゴンの鱗や髭を使った玩具は恐らく珍重される。


・異世界の魔法を使った遊戯:チンカラホイではないが魔法や特殊能力が一般にも流布しているなら当然子供たちも恩恵にあずかっているはず。例えば魔法で簡単に空を飛べる世界なら、現代の自転車感覚で空を飛びまわる子供が必ず存在するだろう。


・異世界の伝承を風俗を元にした遊戯:行列遊びや祭壇ごっこみたいに大人の行動を真似た遊びとも。勇者による魔王退治が行われる世界なら騎士ごっこより勇者ごっこがメジャーだろうし、魔法使いが活躍するなら木の棒を魔術の杖に見立てて魔法の練習に励む子供がいるのが自然だ。

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