は・ヂ・ま・り・の予感
やっとゴンドラに乗った私と友人。
お仕事は上手くこなせるのか?。
・・・そしてお話の本題である、『黄門様から印籠』はいつ出される事になるのか?。
では、始まります。
はっきりと言おう!、ガテン系は私の様な『四十三歳で素人』のする仕事じゃ無いと!!。
◇◇◇◇◇
・・・当然私と友人は、高圧洗浄ガンを使用すると思っていた。
軽くて、長くて、威力がある。作業が捗るから使用するのは当然だ。
なのに、威力が有りすぎるのがいけなかったとは・・・。
なんと横槍が入ったのだ。
『ここは道路に面しているから(上層階では巻き上がるので特に)水が跳ね返らない様にして欲しい』
とか、
『通行する車に水がかかると洗車料金を請求される云々・・・』
など。
これは管理元である元請けの弁だ。
威力が強い道具を使うと、汚れを落とし易く楽に作業が進められる。これは大事なコトだが、やはり元請けが言うコトも最もな話。
『でも、どうしよう』、あせる友人と私。
・・・・・
友人が何かピンと来たらしく。
「よし、『あれ』なら行ける!」
そう言って『あれ』を、ワンボックス車に取りに行ったのだ。
友人が持ってきた道具、それは『床清掃用の高圧洗浄機』だった。
名前は『弁当箱』。
形は分かりやすく言うと、充電式の掃除機みたいだ。
だが先端部分が特殊で、40センチ四方の真四角な形だ。その四角い部分が『弁当箱』の所以であるらしい。
『弁当箱』は高圧水が周囲に飛び散らない仕様で、箱の部分は蓋として機能していた。
その箱の内側にはブラシが付いており、高圧の水でブラシを回すことにより、汚れを掻き出した上に高水圧で洗い流せると言うまさに『理想的なシロモノ』だった。
・・・軽ければ、だ。
その洗浄機はとても重かった。
総ステンレス製で10キロくらいはあっただろう。
ぱっと見、『片手で使えるダ○ソン』なのに・・・。
友人が言うには、
『本来床用では重い方が高水圧に負けず、便利なのだ』そうな。
私と友人はその『弁当箱』を高圧ホースと連結後、ゴンドラに載せてから落下防止の為にゴンドラとロープで繋いだ。
「綺麗にする基本は『上から下へ』だから!」
友人がそう言ってゴンドラを上昇させる。
『上から下へ』なら先ずは『上』だよね、やっぱり・・・。
『・・・ああ、上がってる』
心此処にあらずの私。
一気にクレーンで別館の最上部まで来た。
『し、下が怖くて、み、見れない・・・』
『たわんたわんしてる』
私はその時、かなりの重圧下にあったのである。
多分、肉体的にも、精神的にさえもだ・・・。