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Lovely10..甘〜い日曜日Ⅰ。

「そんな顔しないの〜元気だして!エリー、ほらっ、にこってしてみて♪」






サボンに言われて鏡に向かってにこっとしてみる。

だけどもう一人の私は苦笑いだ。






コートを羽織りながら仕事へ向かう準備をする。






「エリー?口角だけはせめてあげるように心がけてみてね。」






「…は〜い。行ってきま〜す…。」






今日は日曜日。

だけど私は休日出勤。






せっかく平山さんとトイとお散歩デート出来たかもしれないのに…






そんなことを考えながら会社に着いた。

自分のデスクに鞄を置き、パソコンの電源を入れて、私はため息をついた。





「矢〜田さんっ!おはようございますっ!」






ドアの方から新入社員の衛門福人(えもんふくと)君が、元気よく入って来た。






「福人君…!福人君も休日出勤?めずらしいね〜。」






私は無理やり口角をあげて微笑んでみせた。






「そうなんすよ〜!矢田さんもですか?お互い大変っすね。」






「うん…。でもまぁ、がんばろうね!」






「はい!」






…よし!

私も気持ちを切り替えてがんばらないとっ。






それからお昼過ぎまでひたすらパソコンに向かって仕事をこなしていた。

福人君が声を掛けてくれるまでずっと、飲み物すら一口も飲まずに…






「ありがとう〜!ごちそうさま♪」






福人君がお茶を持って来てくれた。

そうして休憩がてらお昼ご飯にすることになった。






「矢田さんの弁当上手そうっすね。やっぱり料理出来る女の人は最高です!」






「ありがとう。」






福人君はいっつも元気ハツラツ!って感じで、話しているとこっちまで笑顔になってくる。






「矢田さんてあれですよね。何か口角?きゅっとあがってて、その何ていうか…何か、可愛いっす!」






可愛い…?

私、いま、可愛いって言われた?

聞きまちがい?じゃないよね…






福人君はちょっと照れくさそうに頭をポリポリしている。






「…じゃあ俺、仕事戻りますっ!じゃあ失礼します!」






「うん…お茶!ありがとうね。」






そうして福人君はあっという間に走って行ってしまった。







それから夕方まで仕事をして、退勤作業を済ませてからパソコンの電源を切った。






福人君はこれから大学時代の友だちとご飯に行くらしく、元気よく走って帰って行った。






私も"デート"したかったなぁ…

平山さんに会いたかったなぁ…






そんなことを想いながら携帯画面を見つめていたら、突然キラキラと輝きだした…!






平山さんだ…っ!

しかも電話…っ!






「…も、もしもしっ!」






電話の向こう側から少し低くて温かい、優しい声が響いてくる。






「矢田さん?もう仕事終わったかな?お疲れ様。」






「はい!今ちょうど終わったところで…お疲れさまです。」






あぁ。

声が聞けただけでも幸せだ。






「そっか。あのさもし良かったら今から会わない?何か予定あったりするかな?」






そんなのあるわけないです…!






「…会いたいです!」






大きい声の自分にはっとして急に恥ずかしくなる。

平山さんも少し驚いているようだった。






しばらく沈黙が続いた後…






「良かった!じゃあ今から迎えに行くね。待っててね。」






まるで月9のラブストーリーみたい!






「はい!待ってます!」

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