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記録01 「3日目だよ?」

「本当に、俺と同じ学校で良かったのか?」

吊り革に掴まり、電車に揺られている自分と

同様に、本を読んでいる妹に聞いた。

「べっつに〜?私とお兄ちゃんてたいして

学力の差ないからね。わざわざ遠い学校

通いたくないし。」

確かに、と思ったのと同時にふと妹の手元を見た。

(片手でページめくりながら本読むって

器用だな…。)

そんなことを思っていたら、電車は駅に

着いた。ドアが開くと同時に車内から人が

ホームへ降りていく。俺たちはその流れに

のってホームに降り、改札口を出る。

「バス停って、西口だっけ?」

情報があやふやな俺は、妹に確認する。

「そうそう。9番のりば。ていうか、そろそろ覚えてほしいんですけど。入学して3日目だよ?」

はぁ、とため息をつく妹に、申し訳なく思う。妹が先導して歩くが、少しして足を

止める。そして、こちらに顔を向ける。が、

俺と目は合わせない。

「ごめん、9番のりばって、どこ…?」

俺は少し考えたあと、こう返す。

「あそこだよ。あの百貨店の下。ていうか、そろそろ覚えてほしいんだけど。入学して

3日目だよ?」

自分の言った言葉をまんま返され、納得

いかない様子でほっぺを膨らませた。

そのまま動こうとしない妹の肩に優しく手をのせる。

「悪かったよ。遅刻するから早く行くぞ。」

歩くことを促し、俺たちはバス停に向かう。

そこには、バスを待つ長蛇の列が出来ていた。

「これ始業前に間に合う?」

妹が不安げに聞いてくるが、まだ時間はある。

「まだ8時だ。次のバスに乗れなくてもギリ間に合う」

10分くらいバス停で待ち、1台のバスが来たが、俺たちが列の先頭に立ったときには乗れなかった。

「そういえば、さっきバスに乗っていった人たち、私たちと違う制服着てたけど、どこの学校?」

俺たちが並んでいる長蛇の列を作っているのは、自分たち以外全員同じ制服を纏う学生だった。俺の中で、思い当たる高校は1つしかない。

「多分、小宮南高校だよ。ほら、ついさっきのバスの行き先がそうだったろ?」

俺の説明で納得いったのか、「あ〜」と声を出す。

「小南か〜、まぁ私たちの学校と近いから、

学生がいても仕方ないか。」

ん?今なんて言った?

「ごめん、小宮南高校の略した呼び方、もう一回言って?」

妹はきょとんとした顔を浮かべる。

「え?(こなん)だけど。小さいに南って書いて。」

最近、俺はアニメにはまっていて、昨日は某探偵アニメを観たからか、名探偵の顔が浮かんでしまった。

「え?なに?どうかした?」

困惑する妹を一目見たあと、道路に目をやるとちょうどバスが来た。

俺たちが待つ、「小宮駅」バス停前で停車し、

ドアが開く。乗り込むと、俺たちはバスの

前方、ほぼ運転席の真横に立つ。俺たちに続いてどんどん客が乗り、すぐに満員になって発車した。吊り革に掴まり、電車同様揺られること10分。自分たちの降りるバス停まで停車することなくスムーズに走行し、

「和泉谷高校前」バス停に到着。

降りてすぐ、妹が「あっ」と声を漏らす。

「お兄ちゃん!もう33分だよ!40分には学校始まる!」

俺はとっさに走り出す。妹も後ろで走る。

さすがに入学3日目で遅刻はまずい。

東門から昇降口まで駆け抜け、急いで上履きに履き替える。そして階段を4階まで駆け上がる。教室の前で息を整え、落ち着いてから

教室の扉を開ける。俺の所属クラスは、

1年4組。席はいちばん廊下側の列の後ろから

2番目。席に着くと、スマホの着信が鳴った。

見ると、妹からだった。

『今日は部活見学だよー。一緒に回ろー♪』

『わかった。』

すぐに返信した。すると、また着信が鳴る。

見ようとした瞬間、チャイムが鳴って号令が掛かった。俺は、スマホをリュックに少し慌て気味でしまった。

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