Drop.027『 The LOVERS:U〈Ⅱ〉』【6】
「そ、それは姫たる者は、いつだって毅然としていないとだもの……! ――みっともない振舞いなんて出来ないわっ……――って……、そんな話はいいのよ、もう……。――すっかり楽しそうにして……。――アタシが変なコト言い出したのが悪いけど、――だからってアタシで遊ばないで」
「ははは。すまない、すまない。――あまりに可愛く慌てるものだから、もう少し見せて欲しくて」
そうして、すっかりと元王子に翻弄された姫君が、つんと口を尖らせては言い、ぽすりと腕の中に戻ると、元王子――こと、雷は、幾度となく空気を弾き続けているその小ぶりな耳を、手で包むようにしながら撫でては、赦しを請う様にした。
それから、しばらくと心地よい静寂がそんな二人を見守る中、法雨は、静かに瞳を閉じ、雷の胸元にやんわりと手を添えると、その愛しい名を紡ぐ。
「……ねぇ、雷さん。――沢山酷い事を言ったりもしたのに……、――それでも、アタシを“迎えに”来てくれて、――こんなにも愛してくれて、――本当に有難う……。――おかげで、アタシ、――今、とっても幸せよ……」
そんな法雨に微笑み、愛おしげに抱きしめると、雷もまた、その愛しき名を紡いだ。
「法雨さんこそ、――俺の手を取る事を“選んで”くれて、――本当に有難う。――俺も、すごく幸せだよ」
法雨は、そうして返された深い愛に、幸せの笑みを零す。
そんな法雨の顔をそっと上げさせ、微笑み返すと――、雷は、心からの愛を込め、その柔らかな綻びに優しく口付けた。
そうして、その日――、またひとつの終わりと始まりを迎えた法雨と雷は、それから存分に互いの愛に浸り合うと、その先で二人を待つ――さらなる運命へと繋がる道を、共に歩み始めたのであった。
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