Drop.027『 The LOVERS:U〈Ⅱ〉』【1】
法雨が荷解きに着手してからおよそ数時間ほどが経過し、室内に差し込む光も、橙を帯び始めた頃――。
大方の荷解きを終えた法雨は、ふと、とある物を見つけると言った。
「アラ、懐かしい。――そう云えば、こんな物も持ってきてたわね」
「ん? なんだい?」
玄関口にダンボールを纏め終えたらしい雷は、そんな法雨のもとへと戻ってくると、穏やかに問うた。
― Drop.027『 The LOVERS:U〈Ⅱ〉』―
「――学生時代の卒業アルバム。――本まで断捨離するのは面倒だったから、本棚のものはまとめて詰め込んできたんだけれど……。――そのせいで、本当に雷さんに見られると恥ずかしい物まで持ってきちゃってたみたい。――困ったもんね」
「おや、そうだったか。――でも、俺にとっては、ぜひ見てみたい物だから、――断捨離しないでいてくれて良かったよ」
「やぁねぇ。――なら、尚の事、困っちゃうわ」
法雨は、言いながら苦笑すると、知らぬうちに新居にまでついてきていた高校時代の卒業アルバムを丁寧に開く。
そんな法雨の隣に腰掛けると、雷もゆったりと視線を巡らせながら、若かりし頃の“彼”を探した。
そして、すぐさまお目当てのレモン色を見つけると、しばし黙した。
「? どうしたの?」
そんな雷の様子を不思議に思い、法雨が問うと、雷は、写真の中で爛々と笑む彼を見つめながら言った。
「いや……、若い頃から美人だっただろうとは思っていたんだが……、――想像以上に綺麗だったから、驚いてね」
演技でも冗談でもなく、本心から驚いているらしい雷の横顔に、法雨はしばし照れながらも苦笑する。
「もう、雷さんはすぐそうやって……。――昔のアタシまで甘やかさなくてもいいのに。――そんなに褒めても、これ以上は何も出ないわよ?」
そんな法雨に、雷は笑って言う。
「ははは。甘やかしてないさ。――本心が出ただけだよ。――それに、もう十分すぎるくらい色々と貰っているからね。――後は、君がここに居てくれたら、それだけで十分だよ」
そうして続けて贈られた言葉に苦笑すると、法雨は、
「もう……。――とことん、重症ね」
と、火照った顔を冷ます様にしながら、またひとつアルバムををめくる。
すると、そんな法雨を宥める様にして髪を撫でていた雷は、何故か再び黙すと、法雨を撫でる手をも固まらせた。
「アラ? ――今度はどうしたの?」
それを不思議に思った法雨が問うと、雷はぎこちなく応じながら、アルバム上のとある写真を示した。
「あぁ……いや……、――その……、――“これ”は……」
すると、その写真を見た法雨は、それを咄嗟に両手で覆うと、慌てて言った。
「ア、アラアラ! ――そ、そんな事もあったわね……っ! ――ええっと、こ、これは、その……、――ぶ、文化祭の時の写真なのよ。――クラスの女の子たちが、制服も着てほしいって言うものだから……」
「あ、あぁ、――な、なるほど。――文化祭か」




