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運命に惑うケモミミBL長編♂愛情深ハイスペ狼×恋歴難美人オネェ猫『ロドンのキセキ◆翠玉のケエス◆輝石ノ箱ヨリ◆芽吹』全31話  作者: 偲 醇壱
◆ The STAR:U ◆

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Drop.023『 The STAR:U〈Ⅱ〉』【3】

「例えば、目の前で大切なブローチを失くして困っている少女が居たならば、その宝物を一緒に探してやりたい。――例えば、公園で亜人の家族と共に散歩していた獣族が、大きな音に驚き公園内のどこかへ逃げ込んでしまったのなら、一緒に探して、怯える彼を家族の元に帰してやりたいのです。――ですから、――その眼前の“小さな大事”に対し、“今は構っていられない”としなければならない事が、俺にとっては苦痛でした。――つまり、そのような事から、集団で動く環境が合う者たちが集団で出来る事をする中、俺は、自分に合った、個人でしか出来ない事をしようと、――そう思うに至ったというわけなのです」

「そう、だったのですね……。――では、それが、警察をお辞めになって、探偵になられた理由……」

「そうです。――期待に応られる様な理由でなくて、恐縮ですが」

 法雨は、そうして己について紡いだ雷が、ひとつ照れくさそうに苦笑すると、ゆっくりと首を振って言った。

「いえ、とんでもありませんわ。――とっても素敵な理由です。――それに、そうして雷さんが探偵になってくださったから、アタシも、(みさと)たちも、雷さんに救ってもらえたんです。――特に、京たちの事については、アタシの場合、ただあの子たちの欲求を受け入れて、許容してあげる事しか出来なかった。――ですから、あの子たちが闇に堕ちてゆくのを止められたのは、雷さんが手を貸してくださったからです」

 法雨は、水滴で曇ったグラスを親指で撫で、楕円の窓を作ると、続けた。

「もし、あの子たちがあのままアタシを“食べ”続けて、最終的にアタシに飽きてしまったら、今度はまた別の人に同じ事をと、その行いを繰り返す様になっていたかもしれません……。――でも、あの時あそこに雷さんが来てくださったから、あの子たちは、“獣”から“人”に戻れたんです。――ですから、これだけの大勢をも救う未来まで作った理由ですから。――本当に、とってもとっても、素敵な理由ですわ」

 雷は、そう言い微笑んだ法雨に、穏やかな笑顔と礼を返す。

「ありがとうございます。――そう言って頂けると、嬉しいです」

「ふふ。こちらこそ。――お教えくださって、ありがとうございました。――大満足です」

「ははは。――それなら良かったです」

 そして、礼を贈り合った雷と法雨が、二人でまたしばし笑い合った後――、ひとつ、思う様にして間を置いた雷は、ふと、法雨の名を呼んだ――。

 

 

 

 

 

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