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運命に惑うケモミミBL長編♂愛情深ハイスペ狼×恋歴難美人オネェ猫『ロドンのキセキ◆翠玉のケエス◆輝石ノ箱ヨリ◆芽吹』全31話  作者: 偲 醇壱
◆ JUSTICE:U ◆

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Drop.016『 JUSTICE:U〈Ⅰ〉』【1】

 

 

 

 法雨(みのり)が、(あずま)の初恋報告を受けてから一週間ほどが経過した、その日もまた――、(みさと)は、“伝達役”としての任をこなしていた。

 しかし、そんな京が助手を務める探偵殿はと云えば、その一週間の間も、法雨の前に現れる事はなかった。

「――雷さん……。――こないだ、開いてないドアに衝突してたっす……」

「それは、かなり重症ね……」

「はい……」

 そして、その探偵殿――雷の様子を報告する助手の面持ちは、やはり明るくはなかった。

 

 

― Drop.016『 JUSTICE:U〈Ⅰ〉』―

 

 

「しばらく、お店にもいらしてないし……。――相当お悩みなのね……」

(以前は、二、三日に一度はいらしてたのに……。――京から初恋の話を聞いてからは、ぱったりいらっしゃらなくなって……)

「そうなんすよ。――なんか、マジで深刻な感じかもしれないっす……。――俺も流石に心配になってきたんで、今日、“気晴らしに姐さんトコ行きませんか”って誘ったんすけど……。――コレだけ持たされて、自分はいいって、また仕事しだしちゃって……」

 その晩も変わらず、カウンター端の席で酒を楽しむ京は、“コレ”と言うと共に、その日、雷に持たされたらしい――菓子折りが入った紙袋を持ち上げた。

 それを丁寧に受け取って袋を覗けば、そこには季節ものの和菓子が上品に佇んでおり、偶然にも法雨のお気に入りの品だったのだが――、状況が状況なだけに、法雨は、手放しでは喜べなかった。

「ううん……」

 そんな法雨が、和菓子を見つめながら案じる様に唸ると、京は零した。

「ほんと……、誰なんすかね~……。――あの雷さんを、あんな風に骨抜きにしちゃうくらいの“魔性の人”って……」

「さぁねぇ……。――でも、あの雷さんを惚れさせるほどの魔性であるとしたら、――本物の悪魔なのかもしれないわね」

 京はそれに、思い出す様な素振りで言う。

「魔性の悪魔か~……。――って事は、アレっすかね。――えっと、名前は忘れましたけど……。あの、――エロい事してくる悪魔……」

「淫魔ね。――インキュバスか、サキュバスかは分からないけど」

「そうそう! それっす、それっす」

 京は、身を乗り出しつつそう言うと、次いで、頬杖をつき、羨ましげに続けた。

「――でも、そうだとしたら、雷さんがちょっと羨ましいっす……。――エロい悪魔にだったら、俺も骨抜きにされてみてぇ……」

 恐らくは、大変都合の良い想像をしているのであろう京に、悪戯っぽい表情で、法雨は言った。

「“骨抜き”ねぇ……。――でも、その悪魔に惚れられたのがアナタだったら、骨を抜かれた上で、“後ろから”頂かれちゃうかもしれないわよ?」

 すると、京は青ざめながら言った。

「えぇっ……、――な、なんで俺は“ソッチ”になっちゃうんすか……。――俺の“純潔”は一生もんがいいっす……」

 そんな京に、しばし悪戯心を刺激され、法雨は目を細めて笑む。

「ア~ラ。――じゃあ、頑張らないとねぇ? ――アンタみたいな“坊や”は、“頂かれる側”になっちゃう可能性も大いにありそうだ、か、ら」

「えぇ!? なんでっすか!?」

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