表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
運命に惑うケモミミBL長編♂愛情深ハイスペ狼×恋歴難美人オネェ猫『ロドンのキセキ◆翠玉のケエス◆輝石ノ箱ヨリ◆芽吹』連載中  作者: 偲 醇壱
◆ The HANGED MAN:U ◆

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

38/48

Drop.013『 The HANGED MAN:U〈Ⅰ〉』【2】

(お世辞でしてくれてるとしても、悪い気はしないし、嬉しい気持ちもあるけれど……。――でも、やっと元の自分に戻れたピュアでキレイなアンタには、アタシみたいなのじゃなくて、同じように“キレイなコ”がお似合いよ)

 そして、自身の後にしょげながらついてくる京に、さらに心の内で紡ぐと、

(――でも、綺麗だって言ってくれた事は、素直に嬉しかったし、ちゃんと覚えてるから。それだけは受け取っておくわ。――有難うね)

 と、届く事のない礼を添えながら、しょげ続ける彼の頭を、しばし優しく撫でてやった。

 ✦

「――ま。――今の俺じゃあ全然相手にしてもらえないのは分かってるんで、それはそれとして、なんですけど……。――実は俺、それとは別に、姐さんに聞いてもらいたい事があって……」

 京は、案内されたカウンター席に腰掛けた後、ひとつ間をおくと、やや真剣な面持ちで言った。

 法雨はそれに、半目がちな表情で応じる。

「アラ、何かしら……? ――あ、言っておくけど、――イイ子、紹介してくださいってのは、――ナシよ」

「――………………」

「アンタね……」

 まさかそんな真剣な顔をしておいて、よもや法雨から“斡旋”を受けようと思っていた可能性が濃厚となり、法雨は呆れた声で言った。

 しかし、京は、その疑いを晴らそうとするかの様に、やや慌てながら弁明した。

「あ、い、いや……その……、――それは、あわよくば、と思ってただけで……。――な、なんで、その話は冗談として……、――その、相談したい事ってのは、俺の事じゃないんです」

「アラ、――じゃあ誰なの? 仲間内の誰かとか?」

 その法雨の問いに、京は、法雨が考えもしなかった人物の名を告げる。

「実は、その、――雷さんの事で」

「え……? ――雷さん?」

「はい」

 法雨が復唱すると、変わらず神妙な面持ちの京は頷き、続ける。

「最近、なんか……、――雷さんがずっと上の空で……」

「“上の空”?」

「はい……」

 京は、ひとつ頷くと、手元のカクテルにすっと口をつけ、喉を潤す。

 そんな京が、なぜ、雷の様子を告げられるかというと――、実は現在、京は、雷の探偵事務所で働いているからであった。

 その経緯については、京曰く――、雷と関わりをもつようになって以来、すっかりと雷の人柄に惚れ込んでしまった事から、助手として働かせてほしい――と、無理を承知で雷に頼んだところ、見事快諾され、現在に至っている――というわけであった。

 そのような事から、現在の京は、苦手な事務仕事も不器用にこなしながら、雷のもとで助手として働いている――のだが、どうやら、そんな彼が慕う探偵殿が、最近、どうにも様子がおかしいらしい。

 その事情を受けると、法雨は未熟な助手に問う。

「“上の空”って……、――例えば、具体的にどんな感じなの?」

「“どんな感じ”……。――そうっすねぇ……」

 その法雨の問いに、助手は考える様に中空を見つめながら言った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ