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Drop.010『 The EMPEROR:U〈Ⅰ〉』【4】
「まったく……。 ――それで? ――もしかしなくても、思い出せたのかしら?」
「あ、そうそう! そうなんですよ! ――ついに思い出せたんです! いや~スッキリした~……」
その中、晴れ晴れとした桔流の顔を見るうち、急く様な気持ちもついぞ萎えてしまった法雨は、デスクチェアの背もたれに身を預けると、呆れながら腕を組み、半目がちに問うた。
「そう。それは何よりだわ……。――それで? どこで見た事があったの?」
そんな法雨に、桔流は喜々として言った。
「あれです! あれです! ――この前あった、――警視庁主催の講演会ですよ~!」
法雨は、その予想外の回答に思わず片眉を上げる。
「はぁ~? ――警視庁の講演会~?」
「そうそうっ!」
法雨はそこで、そのスッキリ爽快なご様子の桔流とは反対に、一気に脱力すると、ここ一番の大きな溜め息をついた。
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