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Drop.009『 The MOON:U〈Ⅲ〉』【2】
「話したでしょ。――アタシ、あの人に向かって、かなり失礼な態度もとったし、酷く失礼な事も言ったの。――だから、そもそもあの人も、アタシに惹かれたりなんてしないわよ」
「う~ん。それはどうかなぁ……。――俺はそんな事ないと思うなぁ~」
「まったく。――アタシはまだしも、アンタは会った事もないんだから、さっきの話のせいで、アンタの願望がそう思わせてるだけよ。――だから、この話はもうおしまい。――早く忘れなさい」
「う~ん……」
法雨の言葉に、未だ納得がいかないらしい菖蒲は、唸りながらまた法雨の胸元に頭を預ける。
そんな菖蒲に苦笑しながら、彼の柔らかな髪を撫でると、法雨はまた、雷の事を思い出し、そして、反省の念を抱いた。
(はぁ……。――まぁ、運命はともかく……、――どちらにせよ、あの時の事は、いつかちゃんと謝らなきゃ……。――まったく。――アタシもまだまだお子ちゃまね……)
そして、そんな決意と落胆を胸にした法雨は、再び菖蒲のぬくもりに浸ると、ゆっくりと瞳を閉じた。
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