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運命に惑うケモミミBL長編♂愛情深ハイスペ狼×恋歴難美人オネェ猫『ロドンのキセキ◆翠玉のケエス◆輝石ノ箱ヨリ◆芽吹』連載中  作者: 偲 醇壱
◆ The HIEROPHANT:U ◆

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Drop.006『 The HIEROPHANT:U〈Ⅲ〉』【1】

 

 

 

「――じゃあ、アナタたちはあの後、――結局、あの人に捕まったって事?」

(あの人には、この子たちを見逃すように頼んだはずだったけど……、――力だけじゃなく正義感も強そうだったし……、流石に見逃せなかったのかしら……)

 法雨(みのり)がそんな事を考えていると、(みさと)が慌てたようにして言った。

 

 

 ― Drop.006『 The HIEROPHANT:U〈Ⅲ〉』―

 

 

「――あっ、ち、違います! ――捕まったとかじゃなくて……。――あの後、店長サンにしてた事がバレたから、俺たち、この先どうしたらいいかって混乱してたんです。――でも、そんな時、ちょうど街中で(あずま)さんに声かけられて……、自分なら助けになれるかもしれないからって言われて……」

 京の話からして、あの後、あの男――雷は、何かしらの要素から、京たちに特別な事情がある事を察したのだろう。

 だからこそ、雷はきっと、そのように声をかけたのだ。

「それで、俺たち、もうあの時には完全にワケ分かんなくなっちまってたんで、雷さんのその言葉で力が抜けたって言うか……。――情けないっすけど、全員で、助けてくださいって頼んだんです……」

 京の話に因れば、そんな彼らはその後、雷に、自分たちの体質の事や、それまでの事をすべて正直に話したのだそうだ。

 そして、そんな彼らに対し、雷はずっと、優しく頷きながら、話を聞いてくれたのだという。

「――そう……。――じゃあ、その過程で、アナタたちの薬抗体質の事も分かったって事なのね……」

「――はい……。――それで、雷さんには、――もし、また店長サンに会う事があって、説明できる機会を貰えたら、その時には、しっかり謝って、自分たちの体質の事もちゃんと話すようにって言われてたんです……」

 ただ、そんな雷からは、その際の忠告もあり、――気分を害させてしまうかもしれないから、説明の際には、“法雨から助けを拒まれている”自分の名前は出さない方が良い――、とも言われていたらしい。

 だが、残念ながら――、彼らはあまりそういったやりくりが上手くなかったため、結局は、法雨に雷の名を出す事になってしまい、現状に至る――というわけであった。

「――例え、説明して理解してもらえなくても、謝って、その上で獣性異常の事も、薬抗体質の事もちゃんと話して、説明した方が良いって」

「――なるほど……。――そういう事だったのね……」

「――俺ら……、店長サンに声かけちまったあの日までは、なんとか酒だけでやってきてたんですけど、――やっぱ限界もあって……、――でも、こんな体質だから、怖がられたり、それこそ警察に突き出されるかもしれないから、恋人も作れないし……、――そういう店も、トラブルになるかもしれないから、正直、行きたくなくて……」

 彼らの云う“そういう店”――とは、代金を支払って性的欲求を解消させてくれる類の店の事だろう。

 だが、そのような店であっても、獣性異常の客はそもそも入店禁止にしている場合もあるため、彼らが、その手の店を避けるのも、トラブルを恐れるのも、無理はない話だ。

「――それで……、一か八かで、アタシを選んでみたわけね……」

 京は、そんな法雨の言葉に、反省するようにして頷いた。

 そんな京に因れば、彼らにとって、法雨は、バーで見かけただけとは云え、随分と魅力的に見えたらしい。

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