Drop.005『 The HIEROPHANT:U〈Ⅱ〉』【3】
「――でも、じゃあ、――そんなアナタたちが薬抗体質だっていうのは、どうやって分かったの? 何かのきっかけでお医者様にでもかかって、分かったとか?」
「――えっと、それは……」
それまで様々な事をつつがなく教えてくれていた京だが、法雨のその問いには、またしばしの戸惑いを見せた。
しかし、すぐに意を決するようにした京は、改めて法雨の顔を見ると、様子を伺うようにして言った。
「――あの人に……教えてもらったからです」
「“あの人”?」
そういえば、先ほども、彼らの一人が“あの人”――と言っていたような気がする。
「――その、“あの人”っていうのは?」
京の言葉に、法雨も流石に検討がつかずに問うと、京は続けた。
「――あの、店長サンは、“雷さん”って言って、分かりますか。 ――確か、名刺渡したって言ってたんで、――店長サン。貰ってると思うんですけど」
「“雷さん”……? ――“名刺”って……。――……え? ――ま、まさか、アナタたちの云う“あの人”って……、まさか、あの時の……?」
法雨はそこで、今、自身が寄り掛かっている分厚い鉄扉を蹴破った――、“あの男”に関する記憶を慌てて引っ張り出す。
そして、そんな男から手渡された名刺には、確かに“雷”――という名が記されていた事を、はっきりと思い出した。
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