【New】LastDrop ✦ Drop.031『 The WORLD:U 』【2】
「ははは。――あんな風に瞳を輝かせる姿を見てしまったらね」
と云うのも――、その姫は、女性物のファッションをよく着用している事から、その“目”と経験を買われ、法雨のドレス選びにも同行していた――のだが、その最中、法雨のドレス姿に度々と瞳を輝かせては酷く感激した姿を披露していたため、それが二人の心を動かし、結果として、雷の計らいに至った――というわけであった。
「ふふ。気持ちは分かるわ」
そんな、とある日の思い出を振り返りながら法雨が言うと、雷は、同じく姫を見やりながら言う。
「姫君も、“次は”ウェディングドレスだね」
そんな雷に、法雨は頷き、彼を見守る様にして言う。
「えぇ。そうね。――姫も早く幸せになってほしいわ」
それに、雷も頷くようにしながら言う。
「そうだね」
そして、それに次ぎ、ふと背後へと視線をやると、
「姫君と、――“桔流君も”」
と言っては、にこりと笑んだ。
桔流は、そんな雷に不意をつかれると、咄嗟に一歩身を引いては、両手を前にして言った。
「うわ。ちょっと、雷さん。――なんでそこで俺に振るんですか……。――俺は今、舞台上の木役に集中してるんで、――カメラもスポットライトも、雷さんと法雨さんに固定でお願いしますっ」
すると、その桔流の“反応”が随分と気に入ったらしい法雨と雷は、揃ってその身を桔流に向けると、肩を並べて言った。
「ううん。――タキシードとドレスなら、桔流君はどっちがいいだろうねぇ」
「う~ん。そうねぇ。それが悩みドコロよねぇ……。――せっかくのイケメンだし、タキシードも捨てがたいけれど……、シックめなドレスも似合いそうなのよねぇ……」
その二人の悪戯に、珍しく慌てた様子の桔流は抗議する。
「ちょ、ちょっと、二人とも……! 揃って俺で遊ばない……! ――そもそも……! ――俺はドレスとか着ませんから――っていうか、――別に式の予定とかも」
「アラ~? ――“薬指にピッタリ”な指輪まで受け取っておいて、何を言ってるのかしら~?」
「う……、――そ、それは……」
そんな桔流は、なんとか自身からスポットライトを外すべく足掻いたが――、法雨から決定的な“思い出”を掘り返されては、左手で煌めく“証”を咄嗟に隠すと、ぎこちなく最後の抵抗を紡ぐ。
「ど……、どっちにしても……、ドレスは着ませんので……」
すると法雨は、その桔流に――ではなく、何故かその背後に微笑みを贈ると、言った。
「アラ。そうなのね。――じゃあ、“桔流君はタキシードがいいみたいよ?” ――花厳さん?」
そうして、法雨から重要な報せを受けた、桔流の最愛の人でもあるクロヒョウ族の青年――鳴海花厳は、すっかり固まっている桔流の様子を伺う様にしながら言う。
「あ、あはは。――じゃあ、彼に見合うタキシードを贈ろうと思います」
そんな花厳に向け、じとりとその身を向けると、桔流はじとじとと言う。




