Drop.030『 The SUN:U〈Ⅲ〉』【3】
「はぁ。駄目……。今のアタシの推理力じゃ、お花の冠しか出てこないわ……。――ごめんなさい。雷さん。降参させて」
雷は、そんな法雨の回答に楽しげに笑うと、言った。
「ははは。お花の冠か。それでも良かったかもしれないね。それも、美人さんの君にはよく似合うよ。――でも、残念……。――“冠よりは少し小さめ”なんだ」
「え……?」
そして、そんな雷は、法雨に寄り添うようにすると、背後に控えさせていたサプライズをすっと手に取り、法雨の目の前に据えては、言った。
「メリークリスマス。法雨さん。――どうか、この先もずっと、俺の傍に居てほしい。――だから、良かったら“これ”も、受け取ってくれないか」
「え……、あ……、雷さん……。その、――これって……」
そうして、雷が法雨に贈ったのは、美しい装飾が施された、小さくも上品な翠色のジュエリーケースであった。
「開けてみて」
そんな、凛とした佇まいに思わず身を起こした法雨は、その贈り物を両手で受け取ると、雷に促されるまま、ケースの淵に手をかけた。
そんな法雨の鼓動は、たちまち壊れそうなほどに高鳴り始めると、主人を急かすようにした。
その高鳴りに急かされる中、法雨の指は、小さく震えながらも、ゆっくりと翠色のケースを開いては、雷からの想いを、揺れる金色の瞳に映していった。
「――………………」
そうして、その瞳に映されたのは――、透明の小さな煌めきたちと共に、天に向けその翠色を輝かせる銀輪であった。
その銀輪の頂きを気高く彩るのは、数々の小さなダイヤモンドたちと共に天で輝く翠玉――エメラルドであった。
そんなエメラルドは――、法雨の誕生石でもある。
「こんな素敵な贈り物……、アタシが受け取って……いいの……」
その金色に、愛で美しく輝く銀輪を映しながら、法雨は、声を震わせて紡ぐ。
雷は、そんな法雨の肩を優しく抱き寄せるようにして贈る。
「もちろん。――この贈り物を受け取れるのは、君だけだから」
その雷の言葉に、喜びの雫で艶めく法雨の金色は、艶やかな輝きをさらに増してゆく。
「嬉しい……。――雷さん。本当に有難う。――もう、アタシ……、――こんな幸せ続きで……、この先大丈夫かしら……」
そんな法雨が、赤らんだ頬を一筋の雫で濡らすと、その身を優しく抱き包むようにして、雷は紡ぐ。
「大丈夫さ。何も心配は要らない。――この先の君も、――この先の君の幸せも、――そのすべてを、俺が永遠に護るから」
法雨は、その雷の腕の中、深く大きな愛に笑んでは、幸せを零す。
「ふふ。心強いわね……。それなら、安心だわ……。――……雷さん。――本当に……、――本当に有難う……。――アタシ……、――今……、すっごく幸せよ……」
雷は、その法雨のレモン色を愛でては、胸を満たす幸福感に浸る。
「こちらこそ、受け取ってくれて有難う。――俺も、すごく幸せだ」
そして――、その愛しきレモン色にひとつ口付けては、法雨の顔を伺う様にしてやんわりと身を離すと、眼前で美しく煌めく金色とその海色を交え、最愛の彼へと紡ぐ。




