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エピローグ 

 即位式の日。


 王城の大広間には、皇国のすべてが集まっていた。

貴族、文官、将、そして民の代表。

静まり返る中、白と金の礼装に身を包んだアリーシャが、ゆっくりと歩み出る。


 背筋はまっすぐ。

視線は、揺れていない。

 かつて、祈ることしかできなかった少女の面影は、もうない。

 冠が掲げられ、厳かな言葉が読み上げられる。


「――ここに、セレスティア皇国の女皇を宣言する」


 その瞬間、アリーシャは、確かに微笑んだ。

 不安を隠すためではない。

誇るためでもない。

――選び取ったからだ。

 玉座の側。

一歩後ろに、ルークは立っていた。

王配としての位置。

だが、その視線は常にただ一人を見ている。


(……強くなった)


 いや、違う。


(……最初から、彼女は強かった)


 それを信じ、待ち、守ると決めただけだ。

 アリーシャが玉座に座る。

 その横で、ルークは静かに膝を折る。

 目が合う。

 言葉はない。

 けれど、互いにわかっている。

 この国は、一人で背負うものではない。

 共に考え、共に選び、共に歩いていく。

 拍手が、ゆっくりと広がっていく。

 皇国は、今日、再び動き出した。

 奪われた未来ではない。

 誰かに与えられたものでもない。

 ――選び続ける未来として。

 その中心に立つ女皇と、彼女を見つめ続ける王配の姿は、やがて皇国の歴史に、こう記されることになる。

 この時代、皇国は――初めて、自らの意志で歩き始めたのだと






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