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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。

私の初恋だったのに

作者: 夢乃間
掲載日:2025/11/07

 好きな人がいる。


 同じ女の子で、私よりも可愛くて明るい女の子。どんな人でも、彼女の前では笑顔だ。それはきっと、彼女から感じる毒気の無さや、話す人物の目を見て聞く純粋さが理由だろう。


 転校初日、みんなの前で自己紹介をする時、凄く笑顔が可愛い子がいると思った。


 休み時間に光に群がるユスリカのように湧いてきたクラスメイトに混ざらず、窓の傍のカーテンにくるまって友達と話す姿は天使かと思った。


 現代文の朗読の時、小さな子供の役が上手いなと思った。体育の着替えの時、小さい背のわりに意外とあるなと思った。


 昼休みの時、食べながら話す彼女の友達とは違い、ちゃんと口の中の物を飲み込んでから話す所が偉いと思った。


 放課後の時、彼女は私に軽く挨拶をして、廊下で待ってる友達と帰っていった。


 たった一日。二十四時間という少ない時間だけで、私は彼女に恋をした。今まで恋を覚えた事が無かった私は、経験した事の無いむず痒さに眠れなかった。


 私は女だ。お母さんのように、男の人に恋をするのが普通だと思っていた。でも実際に恋をしたのは女の子。この恋が良いか悪いかで言えば、きっと悪いと言われるだろう。同性愛の人の話がニュースで流れた時、両親は「別に恋に性別は関係ない」と呟いていたが、自分の娘が同性愛者だったら、きっと同じ言葉は出ない。所詮他人事だから言えた事であって、身内の場合はその人と自分達の事まで考えなければいけないのだから。


 だから私の初恋は、片想いのまま止まっている。凄く息苦しくて、彼女の事を好きになればなるほど、もっと苦しくなる。そんな私の苦しさなんて知らず、彼女はいつものように笑顔で日々を過ごしていく。


 そんな彼女だから、私は好きになった。


 そんな彼女だから、私は苦しくなる。


 


 それから一年後。彼女の傍に、新しい女がいるようになった。私と同じ転校生の女。私と同じ綺麗な女。私と同じ眼で彼女を見る女。私と同じ気持ちを彼女に抱いている女。


 なのに、あの女は彼女の傍にいる。彼女からあの女の隣に立つ。私と似ているのに、肝心な部分は真逆だ。


 嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い!


 なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで?


「さよなら、委員長! また明日ね~!」


「はい。気を付けて帰ってくださいね、夏輝さん」

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