第7話:忍び寄る影、ハルトの警告と深まる謎
カグラとの一件があってから、
私と彼女の間には、なんかフワッと
新しい絆が生まれた気がするんだ。
でも、その安堵も束の間。
あの「オーダー」っていう謎の組織の影が、
ジワジワと忍び寄ってきてるのが、
ヒシヒシと感じられる毎日。
心臓がドクドク鳴りやまない。
ある日のこと。
クレイガール協会本部で、
ハルトが私のところに、
ちょっと焦った顔で駆け寄ってきたんだ。
「リリィ、大変だよ!」って。
彼の顔は、いつも冷静なのに、
この時はもう、冷や汗がダラダラって感じ。
ハルトは、いつものピコピコって感じじゃなくて、
すごい真剣な顔で、私にデータを見せてくれた。
それは、最近の暴走事件に関する
詳細な解析結果だったんだ。
「見て、これ!」って指さす先には、
今まで見られなかった異常なパターンが
ズラズラと並んでた。
「最近の暴走事件のデータに、
共通する『署名』のようなものが検出されたんだ。
これは、特定のプログラムコードが
クレイロイドの感情グリッチを
意図的に引き起こしている可能性を示唆してる」
って、ハルトが早口で説明してくれた。
彼の声も、いつもよりワントーン高くて、
マジで焦ってるのがわかる。
「さらに、そのコードは、
クレイロイドの『真実の願い』を
歪めるように設計されてるみたいなんだ」
って。
え、マジで?
「真実の願い」を歪めるって、
それって、あの芸術家さんの時や、
アイドルのクレイロイドの時と、
なんか似てる気がする……。
ゾワッと全身に悪寒が走った。
やっぱり、あの時の違和感は、
気のせいじゃなかったんだ。
ハルトは、さらに続けた。
「このコードの痕跡を追跡した結果、
いくつかの『地下研究施設』の存在が浮上したんだ。
どうやら、そこが怪しい」
って。
地下研究施設?
なんか、SF映画みたいで、
マジで怖いんだけど!
「しかも、その施設は、
過去にクレイロイドの
『感情制御技術』を研究していた
『旧型クレイロイド開発機構』の
関連施設だったんだ」
って。
旧型クレイロイド開発機構?
それって、もうとっくに解散したはずの、
なんか、ヤバい組織だったって
聞いたことあるんだけど……。
過去の亡霊が、今になって
動き出してるってこと?
私の頭の中が、もう、
「なんで?」「どうして?」で
グルグルになっちゃった。
ハルトの顔も、どんどん険しくなる。
その時、通信機からセレン師匠の声が聞こえた。
「リリィ、ハルト。
その情報、私も掴んでいたわ」
って。
え、師匠も知ってたの?
「『オーダー』という組織が、
その旧型クレイロイド開発機構の
残党と繋がっている可能性が高い。
彼らは、あなたの『浄化』の力を
狙っているわ」
って、セレン師匠が静かに言った。
マジかよ!
やっぱり、あの時の監視の目は、
私の力を狙ってたんだ!
心臓がドクドクを超えて、
バクバク鳴り響く。
背筋がゾワゾワする。
私、狙われてるってこと?
セレン師匠は、さらに続けた。
「彼らは、クレイロイドの感情を
完全に制御し、人間の支配下に置こうと
企んでいるようよ。
そのために、あなたの『浄化』の力を
解析し、利用しようとしている」
って。
そんなの、絶対ダメじゃん!
クレイロイドの心を、
勝手に操るなんて!
クレイロイドは、私たちの友だちなのに!
怒りがフツフツと湧き上がってきた。
でも、それ以上に、
得体の知れない恐怖が、
私の心をジワジワと蝕んでいく。
私、どうすればいいの?
ハルトは、私の顔をジッと見て、
「リリィ、君の力が、
彼らの計画を阻止する鍵になるかもしれない。
でも、危険だ」
って、心配そうな顔で言った。
セレン師匠も、静かに頷いた。
私、震える手で、自分の胸をギュッと掴んだ。
怖い。正直、マジで怖い。
でも、ここで逃げたら、
私、クレイガールになった意味がないじゃん!
友だちを救うために、
この世界を守るために、
私、絶対に負けない!
「私、やります!」
私の声が、協会本部に響き渡った。
よーし、やるぞ!
私の『浄化』の力で、
この世界の闇を、全部吹き飛ばしてやる!
心の中で、メラメラと炎が燃え上がった。