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第6話:過去の影、迷走するクレイガールと揺れる信念

その日は、なんだか朝から空気がピリピリしてた。

クレイガール協会に飛び込んできた緊急連絡。

なんと、カグラが担当してる事件で、

暴走クレイロイドが想定外の動きをしてるって!

カグラが苦戦してるなんて、マジありえないし。

普段は完璧な彼女が、珍しく焦ってるって聞いて、

私、心臓がドクドク鳴り出した。

まさか、って嫌な予感がする。


現場に着いたら、もう、まじでヤバかった。

カグラはいつもの冷静さを欠いてて、

珍しく苦戦を強いられてたんだ。

その暴走クレイロイド、

ただ暴れてるだけじゃないの。

カグラが守りきれなかった、

大切な誰かの姿をモヤモヤと模倣して、

カグラの心をグイグイえぐるような動きをする。

ブレードダッシュも鈍くて、

普段ならヒュンッと避ける攻撃も、

ギリギリで避けたり、時にはモロに食らったり。

「くっ!」ってカグラの悔しそうな声が聞こえる。

焦りが募ってるのが、ヒシヒシ伝わってくる。

これは、カグラのトラウマを狙ってるんだ!

私、直感的にそう感じた。


「ハルト!カグラの過去の事件データを、

情報ハッキングして!

急いで!」

焦りながらも、私は通信機に叫んだ。

ハルトは「了解!」って一言。

クレイガール協会本部で、

ハルトが猛スピードでキーボードをカタカタ叩く。

彼はカグラが関わった未解決の暴走事件のデータを見つけ、

その中に「暴走が過剰に強力だった」とか、

「外部からの奇妙な干渉を示唆するデータ片」

っていう不審な報告があることを私に伝えてくれた。

私、ゾッとした。

やっぱり!あのノイズ、これだったんだ!

それがカグラのトラウマに繋がってるって、

ピピッと察したよ。


暴走クレイロイドは、

カグラのトラウマを具現化したような姿に

グニャッと変形した。

物理的に強大で、精神的に追い詰めるような姿。

カグラは完璧な「制圧」を試みるけど、

感情が揺さぶられて、力がバラバラに分散してる。

「力だけでは、全てを解決できない」

カグラの信じてきた「力による秩序」っていう信念が、

グラグラ揺らいでるのが、私にも見えた。

彼女の顔に、苦痛と葛藤が浮かんでる。


私、いてもたってもいられなくて、

カグラの元へダッシュした。

「カグラ!一人で抱え込まないで!」

私はカグラの心の闇に共鳴した。

彼女の痛みが、ジーンと私に伝わってくる。

「守りきれなかったのは、あなたのせいじゃない!

でも、今、私たちはここにいる!

今度は、一緒に守ろう!」

私、過去を乗り越えて、共に未来を切り拓こうって、

強く強く訴えかけたんだ。

カグラは、私の優しさに触れて、

心の氷が、少しずつ溶け始めるのが見えた。

彼女の瞳に、かすかな光が戻った気がした。


「リリィ……!」

カグラが、私の方を見た。

「行くよ、カグラ!」

私たちの連携が、バッチリ決まったんだ!

私が浄化のエネルギーを、

暴走クレイロイドにシュワッと送り込む。

同時に、カグラがシステムを強制再起動!

まるで「共同ワクチン投与」みたいに、

暴走がギューンと鎮静化していく。

クレイロイドは、ピタリと動きを止めた。

ホッとして、二人でドッと力が抜けた。


事件解決後、カグラは私に対し、

素直ではないものの、

「……悪くなかった」って、

かすかに感謝の言葉を口にした。

「まあ、感謝はしてやる」みたいな、

ちょっとツンデレな感じだったけどね。

でも、彼女の心には

「本当に力だけでいいのか?」

「私の信じてきたものは、正しいのか?」

っていう、新たな問いが芽生えたのが、

私にはヒシヒシと伝わってきた。

私とカグラの間には、

単なるライバルじゃない、

新しい信頼関係が、

フワッと芽生え始めたんだ。

この絆が、きっと私たちを強くする。

そう、確信した瞬間だった。


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