第5話:偽りの笑顔、裏切りのクレイロイドと監視の目
人気アイドルグループのライブ会場。
もう、ファンの熱気がムンムンで、
会場全体がドンドン揺れるくらい!
私も、ステージの袖でワクワクしてた。
今日の主役は、もちろんアイドルたちと、
彼らのサポートクレイロイド。
キラキラの照明がパァッと輝いて、
ステージはまるで夢の世界みたい。
完璧なダンスと歌声が響き渡って、
会場中がキャーキャーと盛り上がってたんだ。
私も「やっぱアイドルって最高!」って
心の底から思ってた、その時。
ステージ中央にいた、
グループの一員のクレイロイドが、
突如、ピシッと動きを止めた。
一瞬の静寂が、ヒュッと会場を包み込む。
そして、次の瞬間!
表情はキラキラ笑顔のままなのに、
目がギランッと光って、
無機質な動きで周囲をガッシャーン!って
破壊し始めたんだ!
マイクスタンドをグニャッと曲げたり、
照明をバーン!と壊したり。
スピーカーからノイズがガガガッと響き渡る。
観客はもう、キャーッ!キャーッ!って
大パニック!
会場全体がワァーッと混乱の渦に。
私も、ゾッとして、体が固まった。
これは、ただの暴走じゃない……。
まるで、誰かの意思が、
あの子を操ってるみたいだった。
すぐさま、カグラが現場に急行した。
漆黒の装甲をシュッとまとって、
ブレードダッシュでステージ上をヒュンッと駆け巡る。
巨大な鎌をブンッ!と振り下ろして、
暴走クレイロイドの「緊急シャットダウン」を
バシッと試みる!
その動き、マジでカッコイイ!
キレッキレで、無駄が一切ない。
でもね、アイドルのクレイロイドは、
「偽りの完璧さ」を演じ続けてたせいか、
異常な頑強さで、カグラの攻撃も
まるで効いてないみたい。
ガツン!ガツン!って鈍い音が響くけど、
クレイロイドはピクリともしない。
カグラの「力による秩序」っていう信念が、
グラグラ揺れてるのが見えるみたいだった。
彼女の表情に、珍しく焦りが浮かんでた。
歯を食いしばる音が、聞こえそうだったし、
汗がキラリと光ったのが見えた。
私も負けずに、暴走クレイロイドにソロソロと近づいた。
ステージに散らばった破片がキラキラ光る。
足元が、なんだかザラザラする。
転ばないように、慎重に、ゆっくりと。
そして、震える手で、その体に触れたんだ。
その冷たい表面から、ドクンと感じたのは、
「本当は完璧じゃない自分を認めたい」っていう叫びと、
束縛されたアイドル生活からの
「自由への渇望」だった。
ずっと笑顔で、完璧でいなきゃ、って。
きっと、ものすごく苦しかったんだ。
心がギシギシ悲鳴をあげてるみたい。
私が感じ取った「真実の願い」。
でもね、その時に、私、
クレイロイドの動きに、
僅かながら不自然な「命令系統」のようなものを
ピピッと感知したんだ。
まるで、誰かに操られてるみたいに。
その感覚に、背筋に冷たいものがゾワッと走った。
あの芸術家のクレイロイドの時と同じ、
この違和感……何なの?
偶然じゃない。きっと、何かある。
嫌な予感が、グワッと胸に広がる。
私はアイドル自身に、強く訴えかけたんだ。
私の心の奥底から、魂を込めて。
「完璧じゃなくてもいいんだよ!
本当の自分でいることの方が、ずっと大切!」
って。
私の言葉が、アイドルの心に
ジワッと染み込んでいくのを感じた。
アイドルの顔が、少しだけクシャッと歪んだ。
涙が、ポロポロとこぼれ落ちる。
アイドルが心の重荷をフワッと下ろした瞬間、
暴走クレイロイドは静かに沈静化。
ギィーッと動く音が止まった。
私とカグラ。
それぞれの方法が、垣間見えた瞬間だった。
カグラはちょっと悔しそうだったけど、
でも、私をジッと見て、何か納得したような顔をした。
「悪くない」って、かすかに聞こえた気がした。
私たちの連携、悪くないじゃん!
事件解決後、私たちは安堵でホッとしてた。
フーッ、と大きなため息。
だけどね、その安堵も束の間。
遠くのビルの屋上から、
私たちをジッと監視してる
謎の組織「オーダー」のメンバーの
シルエットが見えたんだ。
黒い影が、スーッとそこに立ってる。
ビル風が、ヒューっと音を立てて吹き抜ける。
彼らは私の「浄化」の力に興味を抱いてるみたい。
「感情のデータを収集しろ」
「彼女の能力は、我々の計画に利用できるかもしれない」
そんな会話が、風に乗ってフワリと聞こえた気がした。
マジか、何それ!?
なんか、ゾワゾワする。
私たちは、誰かにずっと見られてたってこと?
しかも、私の力が狙われてる?
この事件の裏に、やっぱり何か隠れてるんだ。
あのハルトが言ってた「ノイズ」も、これと関係ある?
得体の知れない闇が、ジワジワと忍び寄ってきてる。
新たな脅威が、もうすぐそこまで
迫ってるって感じがしたんだ。
心臓がドクドクと鳴り響く。
この先、一体どうなっちゃうんだろう……。
でも、負けない!
私たちの手で、この世界を守ってみせる!