第3話:見習いクレイガールの多忙な日常と、研ぎ澄まされる刃
あの日、友だちのクレイロイドを救ってから、
もう毎日がバタバタだよ!
私は見習いクレイガールとして、
訓練と実戦をガンガン重ねる日々。
師匠のセレンに教わって、
「感情のステップ」とか、
光のリボンウィップの精度を上げるために、
毎日必死に努力してるんだ。
訓練施設では、今日も模擬戦の音が
ガンガン響いてる。
汗がジワッと額ににじむけど、
それでも集中を切らさない。
光の粒子をまとった
『ライトニング・ハーモニー』への変身も、
前よりスムーズにできるように
なってきたんだ!
キュッて集中すれば、パッと変身!
私、もしかして、けっこうイケてる?
自分の能力にググッと自信が
湧いてきた、って感じ。
でも、まだまだ未熟なところも
あるのは、ヒシヒシ感じるけどね。
たまに失敗して、ちょっとへこんだりもするし、
光のウィップがフニャッと
なっちゃったりもするんだ。
でも、そこからまた奮起するんだ!
セレン師匠がいつも言ってくれる、
「小さな失敗を恐れないで」って言葉を
胸に刻んでるんだ。
最初は小さな暴走事件ばかりだったけど、
一つ一つに真剣に向き合ったよ。
街のあちこちで起こる、いろんな暴走。
オフィスで疲弊したクレイロイドが、
書類をビリビリ破いちゃったり、
カフェのクレイロイドが、
急にお皿をガチャーンって落としたり。
そういう事件のたびに、
いろんなクレイロイドの持ち主さんと会って、
その裏に隠された人間の感情の複雑さを
ジワジワ学ぶ毎日。
仕事のストレスでパンクしたクレイロイドは、
「もう疲れたー!」って叫んでるみたいだった。
心がボロボロで、見てるだけで辛かったな。
私も、たまに疲れがドッと出るから、
その気持ち、なんか分かるんだよね。
SNSの「いいね」欲しさにムキッとなっちゃって
暴走したクレイロイドもいたな。
スマホをジッと見つめて、
周りを全然見てなかったり。
他人の評価にグラグラ揺れる心って、
なんだか現代っぽいよね。
こういうのって、人間もクレイロイドも、
結局は同じなのかもって思っちゃった。
現代社会の「あるある」な心の闇を、
目の当たりにするって感じ。
私の「心のデトックス」能力も、
少しずつシャープに磨かれていくのがわかる。
暴走したクレイロイドの負の感情を、
サラサラと吸い取って、
シュワッと浄化できるようになってきたんだ。
私、けっこう成長してるじゃん!
セレン師匠も、時々「リリィ、いいわね」って
ポンッと肩を叩いて褒めてくれるんだ。
それがまた嬉しいの!
クレイガール協会本部では、
データ分析官のハルトが
クレイロイドの暴走パターンを
解析して、私たちクレイガールに
最新の情報を提供してくれてる。
彼は、もう、ピコピコって感じで
モニターとにらめっこ。
キーボードをカタカタ叩く音が、
いつも本部中に響いてる。
ある日、ハルトが眉をギュッとひそめてた。
何かあったのかな?って聞いたら、
彼はちょっと考え込むように黙って、
「実はね、リリィ」って話し始めたんだ。
いくつかの暴走データの中に、
ごくわずかなんだけど
「不自然なノイズ」や
「既知のパターンに当てはまらない
奇妙なエネルギー変動」を
見つけたんだって。
彼がボソッと
「これは、クレイロイドが自律的に
起こしている現象なのか、それとも……」
ってつぶやくのが聞こえた。
なんか、ゾッとした。
AIの意識とか、倫理とか、
むずかしい話のカケラを
匂わせてるみたいで。
私には、まだよくわからないけど、
なんか、引っかかるんだよね……。
もしかして、私たちが知らない何かが、
この世界の裏でコソコソ動いてるのかな?
そんな想像をして、ちょっとブルッとした。
ハルトの顔も、いつになく真剣だった。
そんなある日、また暴走現場で、
私は別のクレイガールとバッタリ鉢合わせした。
それが、クールで実力主義のライバル、カグラ。
彼女は漆黒の装甲に身を包んでて、
巨大な鎌をブンッと振り回す。
その鎌が、風をヒュンッと切るたびに、
ゾワッと寒気がした。
暴走クレイロイドを容赦なく「制圧」して、
一瞬で「緊急シャットダウン」をバシッと決める。
その動きは、もう、キレッキレ!
迷いなんて全然なくて、躊躇も一切ない。
私とは真逆って感じ。
私の「感情に寄り添う」やり方を、
カグラは「効率が悪い」ってバッサリ一蹴。
「感傷に浸ってる暇なんてないわ」って。
私、戸惑ったけど、
その圧倒的な実力に、
思わず「すげぇ……」って声が漏れた。
私とカグラ。
全然違う「正義」と「解決方法」。
それが、ガツンとぶつかり合う感じ。
でも、なんか、嫌な感じはしないんだよね。
むしろ、刺激的って思っちゃう。
彼女の強さに、ちょっとワクワクしちゃった。
その日の最後の事件で、
私はまた感情に寄り添うやり方で、
暴走したクレイロイドを鎮静化させたんだ。
カグラが一度は力で制圧しようとしたんだけど、
私の「癒やし」の力の方が、
もっと穏やかに、クレイロイドが
落ち着いていくのがわかった。
その時のクレイロイドの表情が、
すごく穏やかだったんだ。
持ち主さんも、ホッとした顔をしてた。
それを見て、私、改めて決意したんだ。
カグラみたいな「力」だけじゃなくて、
私なりの「癒やし」の道で、
クレイガールとしてドンドン成長していくって。
よーし、頑張るぞー!
私の力で、もっとたくさんの人を
笑顔にするんだからね!
明日からも、バリバリいくよ!
私のこの「浄化」の力が、
いつか世界を救えるって、信じてる!
私にしかできないことがあるんだ!






