第93話: ドラゴンテイルの支援
リハルト周辺で進行中の養蜂プロジェクト支援のため、冒険者チームのドラゴンテイルとシルバーファングが、新たな領域の開拓調査に取り組んでいた。
彼らはミツルたちの心強い仲間であり、このプロジェクトの成功に不可欠な存在となっている。
「さて、今日も行くぞ。ミツル、準備はいいか？」ドラゴンテイルのリーダー、エリオットは親しげに笑いかける。
彼はミツルを弟のように見ており、ミツルも彼を兄貴分として頼っていた。
「ばっちり準備できてるよ、エリオット！」ミツルは自信に満ちた声で答えた。彼の隣ではティグが少し緊張気味に頷く。
「今日は森の奥の方を攻めるから、しっかりサポートするわ。」サラ、チームの紅一点、は微笑んで仲間たちを励ましている。
回復薬やサポートアイテムの準備を怠らずに済ませていた。
ライアンもまた、仲間たちを見渡し、「ティグ、いよいよだな。自分の力を出し切って、成長しろよ。」と冗談交じりに肩を軽く叩いた。
「ええ、俺も頑張ります！」ティグは力強く返し、自分に課された役割に挑む覚悟を固めた。
未知の蜜源植物の発見と新たな魔物の調査を目的に、一行はリハルト北部の未知のエリアに足を踏み入れた。
エリオットが突然立ち止まり、「ここからは慎重にな。変な気配がするぞ。」と声を落とす。
「鋭いわね、エリオット。みんな、集中して進もう。」と、セリーナも気合を入れ、魔法の準備を整えた。彼女の赤毛が風になびく中、行動が一層引き締まった。
ミツルは仲間たちのアドバイスをしっかりと受け止め、インセクトテイマーとしての技術を活かしつつ、新たな蜜源植物を観察する。
同時に、ティグは自らのモンスターテイマーとしての腕を試す準備をしていた。
探索中、彼らの目に飛び込んできたのは巨大な巣を構える、見たことのない魔物だった。
それはクイーンティラワスプとと言う今迄見た事の無い強力な蜂型魔物だとサラが教えてくれた。
この強敵に対して彼らは慎重に進行を始める。
巣から飛び出した護衛の蜂型魔物たちが飛んできたが、チームは冷静に対応する。
ライアンとエリオットが先頭に立ち、剣を構えて守りに入る。
「来たぞ、みんな、戦闘準備！」エリオットが声を張り上げ、ライアンとともに剣を振るって迎撃に向かう。
ミツルはナイフを構えながら、「気を抜くな！」と叫び、近接戦闘に挑む。彼の後ろではエルザとアリーシャが弓を構え、魔物を的確に狙って次々と矢を放つ。
セリーナはそれを見守りつつ、時折必要に応じて魔法を放ってサポートを続けていた。
回復役のサラは、仲間たちの体力を気にしながら回復魔法を絶やさず提供する。
「やっぱり僕たちには、これくらいの戦いが必要だ。」ティグもまた、魔物の特殊な動きを注意深く読み取り、チームの一員として奮闘する。
戦闘は激しさを増し、仲間たちの力を総動員して困難を乗り越えようとしていた。
そんな中、急にクイーンティラワスプが再び巣に戻ろうとする気配を見せるが、ミツルたちはその動きを封じるために一斉攻撃をかける。
「ここで叩かないと、また来るぞ！」とアッシュが状況を仕切り、即座に攻勢に出る。
チーム全員が連携して戦うことで、徐々に戦局は彼らに傾き始めた。
クイーンティラワスプとの激しい戦いは続くが、確実に彼らは優勢を築いていく。
そしてついに、最後の一撃が魔物に加えられ、無事撃退することに成功した。
戦いが終わり、彼らは一息ついてその場を去る。
帰途に就くと、これまでの探査から得た情報を基にプロジェクトの将来に向けた対応を話し合う会議が開かれる。
「この経験を生かすために、次はどう動くか考えないとな。」ミツルは話をまとめ、チームの士気を高めた。
今回の冒険は、ただ新しい発見をするだけでなく、仲間たちの絆を深める重要な役割を果たしたのだった。
次なる挑戦に向けて、彼らの物語は続く。強大な敵と向き合った彼らには、どんな困難も乗り越えるという確かな自信があった。
