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異世界養蜂革命  作者: 華蜂師
第5章:新たなる旅立ち
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第82話: ドワーフ族の協力

ミツルたちはスロールハイムに向かい、ドワーフのボリスとその娘ティルダに会うため、山間の道を進んでいた。

昨晩の会合で、新たな「蜂蜜街道」のロードマップを発表し、各地に広げる計画を提示したところ、すぐに動き出す必要を感じていたからだ。


スロールハイムは、ドワーフ族がその堅牢な建築技術を駆使してきたエリアである。

彼らの技術なしでは、今回の大規模なプロジェクトの成功はあり得ない。

「スロールハイムが近づいてきたね。ドワーフ族の建築技術は本当にすごいわ。」エルザが隣で微笑んでいる。


「うん、俺も何度か彼らの仕事を見たけど、いつも感心しちゃうんだ。」ミツルも頷き返した。

彼が日本から転生してこの世界に来て以来、多くの技術を目の当たりにしてきたが、ドワーフ族の技術はその中でも別格だった。


一行がスロールハイムに到着すると、ドワーフの石造りの建物と工房が見えてきた。

そこから見る風景は、力強い山々とその中に調和するような建物群で、堅牢さと美しさが兼ね備えられていた。

ボリスが工房の前で彼らを待ち受けていた。

「おお、ミツル、エルザ、アリーシャ!待っていたぞ。今回の計画について詳しく聞かせてくれ。」

「ボリス、ティルダ、久しぶり。今日は少し急ぎの仕事なんだ。」ミツルは笑顔を浮かべつつ、本題に入った。


「この前の会合で話した通り、この養蜂プロジェクトをさらに広げて、今迄の計画以外の領地にも養蜂場やミード製作所を設立しようとしているんだ。そしてそれだけではなく、各地に学校や簡易宿舎も必要になりそうだからそっちもお願いしたいんだけど…」

ティルダは興味津々な表情で、「わあ、それってすごく大きなプロジェクトじゃない?どれくらいの規模を想定しているの?私たちだけでできるのかな?」と尋ねた。


「確かに、今回の計画は大きい。だから、ボリスのお眼鏡にかなう実力のあるドワーフの大工のみなさんを紹介してもらえないかなと思ってるんだ。」ミツルははっきりと伝えた。

「なるほど、それなら心配はいらない。すでに腕の立つ仲間が何人かいるんだ。みんなこの計画には興味を持っていたよ。」ボリスは信頼感を込めた様子で答えた。

「ありがとう、ボリス。それに、養蜂場を設立することで植物の受粉が促進されて、小麦や果物、野菜の栽培も捗るはずなんだ。地域全体がどんどん豊かになると思ってる。」アリーシャが説明を補足した。


「なるほど、それは素晴らしいね。ハーブや薬草の花から得る特別な蜂蜜が広がるのは、私たちにとっても新しい挑戦になるかもしれないし、そこからミツルと私達ドワーフの秘法が合わされば、今迄飲んだ事の無いもっと美味しいミードに出会える可能性も出て来るわね。」ティルダはうなずきながら言った。


その後、ミツルたちは具体的な建築計画についてボリスとティルダと相談し、各領地での養蜂場とミード製作所、学校や簡易宿舎の設計に関するアイディアを出し合った。

それぞれの地域にはその地域特有の特性も考慮に入れる必要がある。

会議の後、ボリスは約束通り、スロールハイム全体に声をかけ、技術を持つドワーフたちを集める手はずを整えてくれた。


一方、ミツルたちは冒険者ギルドと商人ギルドのマスターたちとも連携を図ることにしている。

スロールハイムに旅立つ前、それぞれのギルドにお願いして、建築や街道整備に使える人材の確保を最優先事項とすることをお願いしてある。

王都の冒険者ギルドのハガードは、計画の重要性を認識し、すぐに有能な冒険者たちに声をかけた。「まずは街道の安全を確保するために、信頼できる冒険者を集めて、建設のサポートに回そう。また各街の冒険者ギルドや商人ギルドにも報告してもらいたい!そして集合はリハルトだ!」


王都の商人ギルドのエドマンドもまた、建設に必要な物質や資源の供給に協力することを保証した。「商人たちにも協力を要請し、各方面からの資源確保を急ぎます。そして各街の商人達のネットワークを活用して人員や資材等の確保を優先してリハルトに集める様伝えて下さい!」


さらに、奴隷商や孤児院にも通達が行われ、新たな雇用創出を目的として人材を集める動きが始まった。

地域にいる獣人や孤児、元冒険者も対象とし、彼らが新たな環境で働けるような体制作りが急がれることとなった。

ミツルはプロジェクトの進展を見守りながら、改めて彼らと協力する重要性を実感していた。

「本当にみんながいてくれるおかげだよ。俺たちだけじゃ到底無理だったから、助かったよ。」とミツルが言えば、エルザとアリーシャも微笑みながら頷いた。


「これからが本番だね。でも、皆がいるからきっとうまくいくよ。」アリーシャがエルザに向かって軽く励ました。

こうして、ドワーフ族の協力を得て新たなプロジェクトは確実に動き出した。ミツルたちは、再び次のステージに向かって進んでいくのだった。

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