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異世界養蜂革命  作者: 華蜂師
第5章:新たなる旅立ち
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第79話: 王宮の秘密

王との対面を果たし、その好意的な反応に手応えを感じたミツルたち。

しかし、その裏には王国を揺るがす深刻な問題が潜んでいた。


王宮を訪れた翌日、ミツルたちは王女フィリアに招かれ、宮殿内の隠れた部屋で重要な会合が行われることになった。

そこには、バルドウィン卿や数名の信頼できる者たちが集められていた。緊張感のある空気が漂う中、レイモンド国王自身が話を切り出した。


「お集まりいただき、感謝する。君たちを信頼しているからこそ、ここでお話しするのだ。これからここで話す内容は他言無用でお願いしたい。ちなみに聞いているかどうかは分からないが、バルドウィン卿は私達アシュフォード王家一族なのだ。」国王は深刻な表情を崩さずに続けた。

「私の健康状態はあまりよくない。それを理解し支えてくれるのはフィリアや信頼できる少数の者たちだ。バルドウィン卿も勿論その中に入っておる。」


フィリアは父を心配するかのように、国王の側で控えめに耳を傾けている。

「私も、この問題を何とかしなければと考えています。」彼女は静かに父の言葉を補足した。

レイモンド国王はさらに続ける。

「今、側近や一部の貴族たちの間で腐敗が進んでいる。私の二人の息子も王子としての継承権はあるのだが、彼らは私利私欲のために動き、その影響が国全体に及んでいるのだ。この状況をどうにかしたいのだが、立場上難しい部分もある。」


ミツルはその言葉に心を痛めながらも状況を理解し、協力を約束する。

「国王様、私たちにも何か出来る事は無いでしょうか!可能な限りで、この国の助けになれたらと思っています。」

バルドウィン卿が話を引き継ぎ、「ミツルたちは既に多くの貢献をしている。彼らの活動を通じて、国民の生活を向上させ、信頼を築いていくことができるはずだ。蜂蜜街道と言う物流の進展、改善が進めばおのずと色々な物に影響を及ぼす。その時エドワードの時の様に利権や既得権益等を牛耳る者達の選定と周辺の人間関係等の調査やこの商売に絡ませない事で影響力や権力の弱体化も可能かもしれん。その為にも今やれる事をしっかりとかつ確実にやって欲しいと思っている。」と彼らの役割を支援する意図を示した。


「それに、私達は新たに見つけた地域での展開も考えています!それに今回お持ちした巣蜜やロイヤルゼリーやプロポリス等はレイモンド国王の体調改善にももしかしたら貢献出来るかもしれません!」とミツルは新たな展望にも触れる。

「冒険者ギルドのギルドマスターハガードさんから聞いた情報によるとグラナイト・クレストやバルカン・ハイランドでは、新種の蜂の魔物が発見されました。これを利用した新商品の開発もできるかもしれません。」


特に、グラナイト・クレストで発見されたグラナイト・スティンガーの特性は、これまでの製品に新たな価値をもたらすものだった。

ミツルはその可能性を強調しつつ、新たなプロジェクトに対する意気込みを見せた。

エルザも続いて、「この地域では新しい蜜源植物も発見しています。それぞれが持つ特性を利用し、ユニークな製品を生み出すことができます。」と科学的な視点からサポートを加える。


アリーシャもまた、「それに伴い現地の作物も見直し、蜂の受粉効果を活かして生産性を上げることができるでしょう。農業の面からも国を支えることが可能です。」と補足した。


国王は彼らの提案を慎重に検討しながらも、一つ一つの可能性に納得していく。

「確かに、そのようなプロジェクトが成功すれば、内部からの改善が望めるかもしれない。私からの細やかな気持ちなのだが、君たちの製品に王家公認と言う意味を持つ王家の家紋を与えることを許可しよう。それが君たちの力を証明する一助となればありがたい。」


この許可はミツルたちにとって大きな意味を持っていた。

アシュフォード王家の家紋を商品に付けることで、ブランドとしての価値が高まり、市場での影響力が格段に増すのである。

フィリア王女も心強く賛同し、「私も君たちの活動を見守っている。何か助けが必要であれば、いつでも声をかけてほしい。」と、手厚いサポートを約束した。


そして、会合は少しずつ和やかな雰囲気に包まれる中、協力体制を固めることで終結した。

ミツルたちはこの協力に感謝しつつ、これからの展開に胸を膨らませ王宮を後にした。

信頼できる仲間たちとともに、一歩一歩着実に前進を続けていく。

その未来には、いくつもの試練が待っているかもしれないが、ミツルたちは自らの信念に基づき歩み続けることを決意した。

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