第51話: 密談と策謀
屋敷の地下室に集まったのは、バルドウィン卿、アンドリュー、ジョナサン、そしてミツルとその仲間たちである。
ここはかつて酒樽が置かれていた空間で、石壁に囲まれたひんやりとした雰囲気が漂っている。各々がテーブルを囲み、椅子に腰掛け、緊張感を漂わせながらも目的を共有するために集まった。
ミツルが口を開く。「エドワードに対抗するために、まずは具体的な対策を練る必要がありますね。彼の動きがこちらに悪影響を及ぼす前に、何とか対応策を考えなくては。」
ジョナサンは頷きつつ、持ってきた地図を広げた。「まず、彼の動きを探るためには情報収集が不可欠だ。エドワードが何を企んでいるのか、そしてどこから手を付けているのか。それを知るために、影の情報網を活用する必要がある。」
アンドリューは腕を組み、じっくりと考えていた。「エドワードの周りには貴族たちのネットワークがある。贈賄も行っているだろうし、彼の背後にいる協力者を突き止めることも重要だ。でも、私達の行動が周囲や蜂蜜街道、蜂蜜精製をしているミツルたちに迷惑をかけないようにしなければならない!」
バルドウィン卿は真剣な表情でうなずき、「その通りだ。彼の計画を阻止するために、効果的で慎重な行動が求められる。しかし、それは同時に我々が持つ資源を最大限に活用することが不可欠だ。なのでみんなにお願いなのだが、今日話す計画はここにいる人以外には口外しないでもらいたい。期限もどれ位かかるか正直分からないしそもそも上手く行くかも分からない。それでも協力してくれるだろうか?」
そこでミツルの言葉が再び響く。「やっぱり蜂蜜と街道の重要性は無視できない。エルザやアリーシャとも相談したけど、村の経済を支えているこれらの資源は、僕たちにとって重要な鍵になるはずだ。」
ジョナサンが地図を指しながら説明を続ける。「エドワードは領地からの不当な税金徴収を行っている可能性が高いわけですが、それには貴族たちの協力がある。そこで彼らの利権を崩壊させるために、まずは私たちの行動で彼のネットワークを断ち切る必要があります。」
ミツルが笑顔を見せながら、「じゃあ俺たちが構築してきた蜂蜜のネットワークを強化しよう。養蜂場を守り、ミードの輸出を増やして、エドワードの動きを牽制する手段として使うことも可能かも。」
アンドリューが勢いよくテーブルを叩いた。「その意気だミツル!彼の計画を打ち破るために、我々は一致団結しなくてはならない。すべての策を練って、最善の手立てを見つけよう。」
そして、ドラゴンテイルのリーダーエリオットが厳しい表情で言った。「我々も行動を共にします。情報収集だけでなく、実際に動く必要がある時には我々が先陣を切ります。」
話し合いは続き、計画の全貌が徐々に明らかになっていく。ミツル、ジョナサン、アンドリュー、バルドウィン卿、そしてドラゴンテイルたちは、それぞれの役割を明確にし、エドワードに対抗するための具体的な対策を練り上げていった。
夜が更けるまで話し合いは続き、彼らはこの日を境に新たな決意を胸に刻んだ。
エドワードの陰謀を撃退するため、彼らは一致団結し、今まで以上に強固な絆で結ばれることを誓い合ったのだった。




