第50話: 真実の暴露
ミツルとドラゴンテイルのメンバーたちは、襲撃事件の裏にエドワードの影があると確信し、その証拠集めを進めていた。
彼らは密かにバルドウィン卿に面会し、エドワードの陰謀に関する情報を伝えた。
バルドウィン卿は、ミツルたちの告発を聞き終えると、深いため息をつき、思案顔で頷いた。
「まず最初にこちらの問題に巻き込んでしまって申し訳無い。実はエドワードは私の父の代から懇意にしているブラックウェル家の息子でな。三男と言うのもあり、当主になる事は無いが、ある程度の地位につけたい!と言われ断るに断り切れずこんなことになってしまった。ブラックウェル家の顔もあり、そこまで厳しく出来ず半ば放任主義のようにして自由にしてきてしまったのが今回の原因だと思う。今迄も噂レベルで悪評を耳にした事はあったが、エドワードの人格を考え見るにこれまでの話は驚くべき内容だが、確かに思い当たる節が無い訳ではない。以前からエドワードには噂が絶えず、私も彼を注視してきた。しかし、証拠がなければ何もできないのが現状だ。」
彼は静かに告げると、思案にふけった後、口を開いた。「ミツル君、君たちと私はこれから密かに連携して、この事態を解決していって欲しい。まずは確固たる証拠を手に入れるまで、もう少しエドワードを泳がせることにしようと思うんだがどうだ?しかし、我々には時間がない。その間、リハルトやフローリア村、ベリル村に危害が及ばないよう、私兵と信頼できる側近を配して動向を監視させる必要がある。」そう言いながら、卿は自分のプランをミツルたちと共有した。
バルドウィン卿は、信頼の置ける部下であるジョナサンを呼び出し、彼に指示を出した。ジョナサンは過去に数々の功績を持つ有能な隠密部隊長であり、普段はその存在さえも知られていないほど追跡や調査を得意とする男だった。
「ジョナサン、君にはエドワードとその周囲の者たちの動きを調査し、その裏に潜む真実を暴いてもらいたい。君の能力を考えれば、この任務は適していると思うが、どうだろうか?」バルドウィン卿は信頼をもって彼に仕事を頼んだ。
ジョナサンは静かに一礼し、低い声で応える。「お任せください、卿。即座に動きます。エドワードたちの影を暴き出します。」
会合が終わると、ミツルはドラゴンテイルの仲間たちと共に再び集まり、バルドウィン卿からの指示を彼らに共有した。
「エドワードを追い詰めるために、しばらく時間が必要だけど、その間も我々は決して無策ではいられないから。」
エリオットが頷きながら言った。「そうだね、きっと何か大きな証拠を掴むまで、エドワードにはぬか喜びさせておこう。そして、僕たちも今できること、とりわけ街道整備と養蜂場の保護を重点に置こう。」
「私たち全員が一丸となって、一つでもバルドウィン卿への恩義を裏切ることのないように、頑張るよ。」アリーシャも同意し、決意を新たにした。
エルザも続けて言った。「ミツル、蜂蜜の品質向上のために私も研究を進めるから、心配しないで。他のみんなも精一杯協力するわ。」
一同はこのようにして、共同でみせるべき力をもって、エドワードの野望を砕くために着実に準備を進めていくこととなった。
そして彼らは、エドワードの計画がもたらす脅威を乗り越えるため、次の一手に向けた行動を誓った。
暗闇の中で静かに蠢く陰謀に対抗するため、ミツルたちは互いに示した友情と信頼をより一層深め、リハルトとフローリア村、そしてベリル村の未来を守るための堅い決意を抱いていた。その力が彼らを鼓舞し、明日へと導くだろ
う。




