第29話: ミードの熟成と量産
フローリア村の朝は、澄んだ空気と共に始まる。ミツルたちは、養蜂の技術がこの村に根付き始めていることを感じながら、新たなミードの熟成に向けた準備を進めている。
「よし、今日は既存の蜂蜜を使って、ミードをどんどん仕込んでいこう」とミツルが元気よく言う。
彼は、量産のためのスケジュールをしっかりと確認し、日々の仕込みを計画しているんだ。
既存のハニィウィングやスティンガービーから得られた蜂蜜を使うことで、今後の安定供給を目指している。
「なんだか今日はいつも以上に忙しくなりそうだね」とアリーシャが言うと、「でも、その分やりがいがあるよ」とエルザも賛同する。
新しい蜂蜜のバリエーションはまだこれからだが、ミツルたちの作業は着々と進んでいる。
そしてさらに嬉しいことに、ドラゴンテイルのエリオット、ライアン、サラの3人が再びフローリア村に遊びに来てくれている。
「久しぶり！また来ちゃったよ」とエリオットがにこやかに挨拶。
この一行が村に滞在するのは、いつも興味深い経験だ。ミード作りの話を聞いて、彼らもそのプロセスを少しでも手伝いたいと申し出てくれている。
「ほんと、いつも美味しいミードを飲ませてもらってるから今回はミード作りに協力させてもらうよ！」とサラが声を上げる。
ミツルは皆を案内しながら、仕込みの工程を説明する。「これからいくつかの樽に分けて仕込んでいくんだ。今日は既存の蜂蜜から始めて、少しずつ日付ごとに仕訳していくよ」
リオナとタリックも加わり、村全体が活気づいている。
彼らは、蜂蜜の採取量の安定を目指すだけでなく、プロセスをスムーズにするための工夫を凝らしているのだ。
「一緒にやれば、もっと早くなりそうだな」とライアンが言うと、皆で笑い合いながら手際よく作業を進める。
そんな活気の中、アリーシャは新しい花の栽培も進めながら、既存の蜂蜜を使ってより良いミードが作れるよう、改善のアイデアをどんどん出している。「この仕込みをしっかりやって、次の行商に備えようね」
ミツルたちはさらに、行商の準備にも力を入れている。ドラゴンテイルの協力を得て、ベリル村とリハルトへの行商の段取りを整えているのだ。
彼らと一緒に行くことで、新しいマーケットを開拓する可能性が広がることに期待を膨らませている。
「行商への準備は順調！ちょっと手狭になってきた気もするけど、その辺はアーノルドさんとベックさんに相談してみよう！」とミツルが期待感を込めて言う。
アリーシャやエルザ、その他の仲間たちも、みなフローリア村を出発して新たな冒険を迎える準備を着々と整えている。
未来を見据えたこの挑戦が、彼らにどんな景色を見せてくれるのか、期待と希望で胸を高鳴らせている。
そして、村の人々もまた、ミツルたちの行商が成功するよう、全力でサポートしてくれている。
こうして、フローリア村は新たなたすきを繋ぎ、次なるステップに一歩足を踏み出しているんだ。
村とともにミツルたちも成長し続け、新しい未来を切り開いていこうとしている。
