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異世界養蜂革命  作者: 華蜂師
第2章:蜂蜜の発展と旅立ち。
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第23話: 商人たちの期待と難局

冒険者ギルドでの成功に自信を得たミツルたちは、次なるステップとして商人ギルドを訪れることにした。

リハルトの商人ギルドは、様々な取引と商談が行われる商業の心臓部であり、彼らの商品を広く認知させるための重要な場所であった。


彼らはバルドックの案内で商人ギルドへと向かい、ギルド長オルガのオフィスで待たされていた。

オルガは、この街で商売を行う上で避けては通れない人物であり、彼の信頼を得ることは市場への進出にとって必須であった。


オルガとの面会が始まると、ミツルたちは用意してきた蜂蜜と蜜酒「ミード」を紹介し、その品質を彼に試してもらうことになった。

「これがフローリア村の誇る蜂蜜とミードと言う蜂蜜を使ったお酒です!」とアリーシャは胸を張って説明する。オルガはまず蜂蜜を手に取り、一つずつ試食していった。


「これは確かに素晴らしい商品だな!」と彼はポジティブな反応を見せるが、その目は商人の冷静さを失わなかった。

「次はその噂のミードだが、実際のところどんなものか見せてもらおうか。」


ミツルは緊張しつつミードを注ぎ、試飲をすすめる。

オルガは一口飲むと、しばらく黙り込んでから頷きを見せた。「なるほど、これは確かに特別な品だ。だが…」

ここでオルガはトーンを変え「問題は供給の安定性だ。原料の採取方法と、安定供給が本当に可能かという懸念があるのだが、どう対処するつもりか?」と鋭い視線でミツルたちを見つめた。


ミツルたちはオルガの懸念に対して、これまで考えてきた計画とベックとの連携について説明しながら、フローリア村とベリル村との協力体制を強化することで生産の安定供給を図っていることをアピールした。

「私たちは村同士の連携をさらに強化し、従来の計画を基に生産に重要な要素を厳密に管理していくつもりです。」


エルザがまた、自身の研究を通して蜂蜜の質を向上させ、新しい原料を探索する意志を見せた。「我々は継続して新たな花や薬草を活用し、さらに良い蜂蜜を目指していきます」と説明する。

彼女の理論的な説明にオルガも耳を立てた。


オルガは静かに頷き、「君たちの志は理解できた。だが、商業というのは言葉だけで動くものではない。私たちは現実の供給状況を見て判断する。」と述べた。

その言葉には、やはり確固たる結果に対する商人としての厳しい評価が含まれていた。


「現段階では、蜂蜜とミードを試作品として少し卸してみようか」と彼は提案する。

「リハルト周辺でも評判を集め、さらに信頼性を高めてもらいたい。」


それに応じて、ミツルたちは残りの蜂蜜とミードを試作品として商人ギルドに卸すことにした。

この商談は、彼らが市場に向けた一歩を着実に刻む重要な役割を果たした。

商談を終えた後、ミツルたちは商人ギルドを後にしつつ、オルガが残した言葉の重みを改めて考えさせられた。


「オルガの言う通り、安定供給が課題だね」とミツルが言いながら歩き出すと、エルザも意を同じくする。

「ベリル村やフローリア村としっかり手を組んで、計画を具体化しないとね。帰ったらすぐにでも始めましょう。」

アリーシャも頷きながら、「花の栽培計画も急いで進展させる必要があるわね。私たちが考えた新しい花も、すぐに適しているか試してみないと。」


次なるステージを目指すなかで、彼らが見据えるべきは安定した供給体制の確立であった。それに向けて彼らは、リハルトでの経験をいかしつつ、一層の努力を誓い合った。

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