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異世界養蜂革命  作者: 華蜂師
第2章:蜂蜜の発展と旅立ち。
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第17話: 新しい仲間と冒険者の興味

ベリル村から戻ってきたアリーシャたちは、その日の出来事をフローリア村の村人たちに報告した。

成功の喜びが村全体に広がり、次なる一歩を考える契機となった。

その数日後、彼らのもとに再び訪問者が現れた。ドラゴンテイルのエリオット、ライアン、サラがフローリア村を訪れるのだ。


エリオットたちは、拠点にしているリハルトの酒場で飲んだ果実酒を仲間と楽しんだことを語り、以前助けてもらった時にミツルの蜂蜜に強い興味を抱いていた。

「君たちの作ったこの蜂蜜、ただの甘味料じゃないよね?」とエリオットは持ち前の興味深々な眼差しで問うた。

ミツルは少し恥ずかしそうにしながらも、「確かにそうかもしれない。僕たちはただの甘味料以上のものを目指しているよ。フローリアには自然で人の手が入っていない森があって、固有の植物が多いから、それをなんとか活かせたらと思って」と答えた。


「それなら蜂蜜も酒に変えてみたらどうだろう?」とライアンが提案した。エリオットとサラも同意し、蜂蜜からお酒を作る可能性について議論が進んだ。

蜂蜜酒、つまり「ミード」が生産されれば、今まで以上に興味を引く商品になるだろうということで、エリオットたちは興味津々だった。


この提案に、ミツルは日本での記憶を思い出す。昔父親から聞いた話では「ミード」という蜂蜜を使った酒が存在し、世界最古のお酒とも言われていることを彼は思い出した。

「やってみる価値はあるかもしれないね。かつて聞いたことがある蜂蜜酒の作り方を試してみるよ。」

あの時興味があり調べてみた記憶があるんだけど…どうだったかな…と必死に過去の記憶を掘り起こしてみたがうる覚えであった。


「確か…蜂蜜と水を煮沸して糖度を調整し、酵母を使って発酵させる。そして数ヶ月の発酵期間を経て完成させる。」だった気がするんだけど…とりあえずやってみようか!とミツルは提案した!


アリーシャとエルザも興奮し、この新たなプロジェクトへの参加を決意する。

特にエルザは、持ち帰った薬効ある植物を蜂蜜と掛け合わせて、味わいの豊かなバリエーションを作りたいと考える。

「同じ蜂蜜でも、お花によって全く異なる風味が出るかもしれない。そこにハーブの効果も望めるなら、絶対に試してみる価値があるわ」とエルザは意気込む。


アリーシャは一方で、村の女性たちと共にこうしたアイデアを具体化するための栽培計画を立てる準備を進めていた。

フローリア村には多くの優れた手入れ技術を持つ女性たちがいて、彼女たちと協力すれば多彩な植物を育てられるはずだ。

これらの植物の花から得られる蜜を蜂蜜として作り出せれば、村の名産もより輝きを増すだろう。


エリオットたちの協力も得て、ミツルたちはすぐに行動を開始することにした。

ドラゴンテイルの提案は、冒険者ギルドや商人ギルドにフローリア村の特産品をより広く紹介するために、リハルトの街へ彼らを率いていくという構想であった。

「リハルトに行けば、もっと多くの人たちにこの素晴らしい蜂蜜を知ってもらえる。これは大きなチャンスだ」とサラが太鼓判を押す。


この計画はアリーシャたちにとっても魅力的であり、彼女たちは新たな冒険と挑戦に心を躍らせた。

まずはミードの試作品を作り上げ、村外での初めての大きな機会を確実に活かすため、準備をしっかりと進めることにした。


「まずは素材からだね」とミツルはパートナーたちに告げた。「ハニィウィングやスティンガービーの巣箱を維持し、そこで得られた蜜を活用する。そしてエルザは花や薬草の選定をしっかり進めて、僕たちがどの蜜を使うかを決められるように。」


エルザは自分が集めた植物を前に、「次はどの蜂蜜をチョイスすべきかを見極めるわ。それぞれの植物がどのような風味を持つか、どんな薬効があるのかを確かめたい。」


それを聞きアリーシャは、「それじゃ、私たち女性陣が何をすべきかは明らかね。村での栽培を成功させるための計画を立てるのと同時に、商品のプロモーション活動にも取り組みたい」と意欲を見せる。


準備は整った。フローリア村の特産品である蜂蜜をさらに価値あるものにするため、今やるべきは実行すること。アリーシャたちはワクワクしながら、未来へ向けて確実に歩みを進める。


一方、エリオットたちは村での滞在を楽しみつつも、次の一手としてリハルトへの準備を進めていた。

「フローリア村が誇るこの蜂蜜は、リハルトで必ず大きな反響を巻き起こす」とライアンが口にすると、エリオットも頷き、「冒険者としての経験が活かされる時が来たね。この蜂蜜はそれほど特別なものだから」と付け加えた。


こうしてアリーシャたちとドラゴンテイルは、共に次の展開に向けて準備を進め、蜂蜜のポテンシャルを最大限に発揮するために動き出した。

リハルトの地での冒険や商談は、彼らにとって新たなステージへの扉を開くものとなるだろう。そしてフローリア村が更なる発展を遂げる礎となるに違いない。

この蜂蜜プロジェクトを通して、アリーシャたちは努力が報われる喜びと、さらなるチャレンジへの熱い思いを強く抱くようになった。

村の未来は明るく、そして無限大だ。蜂蜜が結ぶ縁は、彼らにもたらされた友愛と協力の証であり、必ずやフローリア村を繁栄へと導く力となるだろう。


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