13話:蜂蜜の効果、村人を救う
エルザは、ミツルが持ち込んだ蜂蜜を興味深く観察していた。
「ミツル、この蜂蜜は本当に珍しいし、すごい効果があるのね。特にスティンガービーの蜂蜜は、他の蜂蜜とは全然違うわ。」
ミツルは興味津々で聞き返した。「スティンガービーの蜂蜜がそんなにすごいんだ。でも、他の蜂蜜とどう違うの?」
エルザは説明を続けた。「スティンガービーは普通の蜂と違って、魔力をたくさん持っているの。そのため、この蜂が作る蜂蜜には、通常にはない特別な効果が宿っているのよ。特に村の薬草から採れる花蜜を使えば、その効果は何倍にもなるの。」
彼らが村で求めたのは、地元の薬草から採れる蜂蜜だった。
まず、村周辺で採取できるヘリオス・フラワーの蜂蜜は、通常よりも早く傷を回復させるだけでなく、体力を劇的に回復させる効果がある。
他の村で売るとしたらハニィウィングの蜂蜜で20ギル、スティンガービーの蜂蜜で60ギルと高価な設定にしたのだが、その価値は十分にあると考えられた。
また、ムーンブロッサムの蜂蜜には穏やかな眠りを誘う効果があり、不眠に悩む村人には大変喜ばれていた。
値段としてはハニィウィングの蜂蜜で20ギル、スティンガービーの蜂蜜で60ギルと高価な設定にしたのだが、安心と安眠を求める人々にとってはその効果を買う価値があると言えた。
中でも注意が必要なのは、パラライザー・リーフから採取した蜂蜜である。これには鎮痛効果がある一方で、使い方を間違えば危険を招く可能性もある。
値段としてはハニィウィングの蜂蜜で20ギル、スティンガービーの蜂蜜で60ギルと高価な設定にしたのだが、、その力を必要とする者には計り知れない価値があった。
そうなると普通の蜂蜜はハニィウィングの蜂蜜で10ギル、スティンガービーの蜂蜜で30ギル位が妥当か?とミツルは一人で考えていた。
「ミツル、この薬草の蜂蜜をどうやって村の人たちに広めたらいいかしら?」とエルザは考えた。「この村だけで手に入るものだから、もっと村の人にその価値を知ってもらいたい。」
ミツルはうなずいて答えた。「そうだね。村の外にはこんなものを知っている人はいないし、必要ならこの村の特産品としてもっと知られるべきだと思う。でも、そのためにはまず村の中できちんと試してもらい、その効果を実感してもらわないと。」
そこで、二人は村の中を周って蜂蜜の効果を説明し、実際にサンプルを用意して村人たちに試してもらうことにした。
蜂蜜の価値を理解してもらうため、彼らは村人達の協力を得て、どうすればこの珍しい商品を村に根付かせられるかを共に考えた。
ミツルも考え込んだ。「確かに、珍しくて価値のあるものだから、どうしても高くなってしまう。でも、その分の価値ある効果をみんなが理解してくれれば、村の特産品として誇れるものになると思う。」
彼らの計画は少しずつ形になり、ミツルとエルザは夜遅くまで村人たちの生活パターンや物価を調べ、蜂蜜の価格を調整する作業に追われた。
村では通貨がほとんど流通していないため、この独特な蜂蜜の取引が村にもたらす利益をどう生かすか、二人は深く考え続けた。
こうして、ミツルとエルザは村に新しい活力をもたらすための取り組みを着実に進めていった。
彼らの努力と知恵は徐々に村の人々にも受け入れられ、珍しさと価値を兼ね備えた蜂蜜は、この小さなフローリア村を豊かにするものとなっていくのであった。
村の未来はかつてないほどに輝かしく、新たな希望に満ちていた。




