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異世界養蜂革命  作者: 華蜂師
第8章「アースクローラーの影」
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129話:意外な食性、土壌を浄化する幼虫

アースクローラーの幼虫がうごめく巣の中ミツルたちは驚くべき発見をした。幼虫たちは土の中の腐敗物や毒素を食べているようだったのだ。

「信じられない…幼虫たちは有害物質を食べているの?」エルザが目を見開いて呟く。

「そうみたいですね…腐った植物や動物の死骸、それに毒素まで…なんでも食べているようですね!」ティグが観察している幼虫を指差しながら答える。

「でもそんなものを食べて大丈夫なのかしら?」リィナが心配そうに尋ねる。

「大丈夫だと思うぞ。むしろそうやって有害物質を取り除くことで土壌を浄化しているんじゃないか?」ミツルが推測を述べた。

「なるほど!幼虫たちは土を守る役割を担っているってことか!」レンが合点がいったように言う。

「そういうことになるじゃろうな。幼虫でもそうなんじゃからアースクローラーの生態を調べればさらに土壌改善に繋がるものが出てくるはずじゃ。そういう意味でも土壌の浄化者なのかもしれん。」ロータスが感心したように呟いた。


「でも…セリーナさんの言う通りこの幼虫を観察するためにはここから連れ出す必要があるわね…」エルザが現実的な問題を指摘する。

「そうだな。巣の中では詳しい研究ができないし頻繁にここに来るのもアースクローラーに遭遇する可能性があるから危険だしな。ただむやみに持ち出すのは危険じゃないか?」アッシュが慎重な意見を述べた、

「アッシュの言う通りね!なら一部の幼虫だけを連れ帰って慎重に飼育するのはどうかしら?」セリーナが提案する。

「それがいいと思います!そうすれば幼虫の成長に必要な環境を整えつつ、安全に観察できます」アリーシャが賛同した。

「わかった!じゃあ数匹の幼虫を捕まえてリハルトに持ち帰ろう!」ミツルがみんなの意見を聞いて決断を下した。

一行は慎重に孵化したばかりの幼虫を捕まえ特製の容器に入れる。


巣を後にする際ミツルはアースクローラーの卵を見つめながら呟いた。「アースクローラーは俺たちが思っているよりずっと大切な存在なのかもしれない。幼虫の観察を通してもっと理解を深めていきたい!」

一同も深くうなずきリハルトへの帰路についく。幼虫の飼育と観察はアースクローラー研究の新たな一歩となるはずだ。

里に戻ったミツルたちはロータスやレオンから師事を仰ぎ早速幼虫の飼育環境を整え始めた。


「土は巣から持ってきたものを使おう。餌は腐葉土や枯れ枝、それに毒草なんかを与えてみようか」ミツルが飼育方針を提案する。

「そうね!とりあえずやってみて経過観察になるけど…あと温度と湿度の管理も必要ね!」エルザが注意点を述べた。

「任せて。自然に近い環境を再現するよう気をつけるわ!」アリーシャが心強い返事をした。

こうしてアースクローラー幼虫の飼育と観察が始まった。幼虫たちは与えられた餌を食べ、順調に成長していく。


「見て!幼虫が土を食べながら体内で濾過しているみたい!」リィナが興奮気味に報告した 「ほんとだ!きれいな土が幼虫の後ろから出てくるぞ!」レンが驚きの声を上げる。

「つまり幼虫は体内で土を浄化しているんだな。すごい能力だ!」ティグが感心したように言った。

「アースクローラーは土を健康に保つ重要な役割を担っているのね!幼虫はそうだけど、成虫もそうなのかしら?」エルザがしみじみと呟いた。

飼育と観察は順調に進みアースクローラー幼虫の驚くべきどんどん能力が明らかになっていった。その発見は人々にも大きな影響を与えた。


「アースクローラーは私たちの大地を守ってくれていたんだね」

「幼虫たちが土を浄化する姿はなんだか神聖に思えるわ」

「アースクローラーを敵視していたなんて申し訳ない気持ちだ…」

関係者達の間でアースクローラーに対する見方が変わりつつあった。恐怖と嫌悪は徐々に理解と尊敬へと変わっていったのだ。


ミツルは人々の変化を見守りながら心の中で誓いを立てた。「アースクローラーとの共存はきっと実現できる。里の人々の理解が深まれば保護区の設置だって夢じゃない」 ミツルの決意は仲間たちにも伝わっていた。

アースクローラー幼虫の発見は共存への扉を開く鍵となるはずだ!彼らの観察と研究はまだまだ続く。

大地を守る幼虫の力をもっと多くの人に知ってもらうためにミツルたちの挑戦は新たなステージに突入したのだった!

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