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異世界養蜂革命  作者: 華蜂師
第8章「アースクローラーの影」
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125話:古代文献の秘密、アースクローラーの伝説

エルザたちは、アースクローラーに関する情報を得るためリハルトの図書館を訪れた。

膨大な蔵書の中から、手がかりを探す作業は容易ではなかったが同行したロータスが色々教えてくれた。


エルザ達が後をついて行くとしばらく歩きとある棚の前で足を止める。そしてロータスは古ぼけた本を取り出した。 「この古代文献に、アースクローラーの伝承が記されているのだ」

本には「アースクローラーは大地の精霊と契約を交わし土壌を豊かにする力を持つとされていた。彼らは地中を自由に動き回り毒素を吸収し栄養豊富な土壌を作り出していた。人々はアースクローラーを畏敬の念を込めて「大地の守り人」と呼んでいた……」とあった。

アースクローラーが大地の精霊と深く結びついている存在であることそして土壌を豊かにする力を持つとされていることが書かれていた。


古代文献はアースクローラーを恐ろべき魔物としてではなく大地の恵みをもたらす存在として描いていたのだ。

「しかし時代が流れ人間と魔物の関係が悪化していく中でアースクローラーの存在は忘れ去られてしまった。人々は彼らの力を恐れ害獣として駆逐するようになった…そしてアースクローラーは人里離れた地中深くに姿を隠した」

「アースクローラーは、土属性魔力を操ることが出来るのだ。その力は土壌改良に役立つ可能性があるとこの本には記載されておる。」 ロータスの言葉にエルザたちは希望を見出した。

「ロータスさんありがとうございます!この情報は私たちにとって大変貴重です」 エルザは礼を言いアースクローラーの生態調査に更なる力を注ぐことを決意した。


一方ミツルたちはアースクローラーとの共存の道を模索していた。 「アースクローラーは私たちにとって脅威であると同時に共存の可能性を秘めた存在なのかもしれません」 ミツルは仲間たちにそう語りかけた。

「そうですね。アースクローラーの力をうまく利用できれば、蜂蜜街道の発展にも役立つかもしれない」 ティグも同意した。

「でもまだアースクローラーの生態にはわからないことが多いわ。もっと調査を進める必要があるわね」 アリーシャが言うとエルザが力強く頷いた。

「私たちは必ずアースクローラーの真実を明らかにするわ。そして魔物の生態等未知なる事が明かされれば共存の道を見出すことができる可能性も出て来る筈よ!」 エルザの言葉に仲間たちも希望を抱いた。


一方アースクローラー討伐を主張する者たちも依然として根強く存在していた。 「アースクローラーは危険な魔物だ。討伐するしかない」 討伐派の一人が強硬な意見を述べた。

「その手段を完全に諦めた訳ではない。でもまだ調査は不十分だ。結論を出すのはそれからでも十分間に合うと思う。」 ミツルは冷静に反論した。

議論は平行線をたどったがその色々な意見はあながちどちらかが間違っている訳では無く、未知なる魔物であるアースクローラーとどう接するか!と言う事に対する考え方だけの違いだった。それが分かっているからこそミツルたちはアースクローラーとの共存を諦めるつもりはなかった。


「私たちはアースクローラーの生態を解明し共存の可能性を探ります。それが蜂蜜街道の未来を守ることにつながるはずです。

そしてその結果共存が難しいアースクローラーの脅威が人間の生活に悪影響を与える!となった時その時はまたその時で考えましょう!」 ミツルの言葉に仲間たちも力強く頷いた。


アースクローラーの脅威は依然として人々の心に重くのしかかっていた。

しかしミツルたちは希望を捨てなかった。 古代文献に隠された真実を解き明かしアースクローラーとの共存の道を切り拓くため彼らの挑戦は続くのだった。

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