122話 新たな仲間たち、蜂蜜街道に集う者たち
「よし!それじゃあ早速各部門で具体的な計画を練り上げてくれ!蜂蜜街道の未来は俺たちにかかっているんだ!」ミツルの力強い言葉に呼応するように会議室は活気に満ち溢れた。
各部門のリーダーたちはそれぞれのチームメンバーを集め、アースクローラーへの対策と蜂蜜街道のさらなる発展に向けた計画を練り始める。
「リオナ!養蜂部門はどうする?アースクローラー対策で何か考えはあるか?」ミツルは養蜂部門のリーダーの一人であるリオナに声をかける。
リオナは真剣な表情で答える。「まずはアースクローラーの被害状況を正確に把握することが最優先だと思います。各養蜂場から被害報告を集め奴らの出没エリアを特定する必要がありますね。」
「なるほど。それからアースクローラーの襲撃から養蜂場を守る対策も必要だな。何か良い案はあるか?」
ミツルが問いかけるとリオナは少し考え込む。「…そうですね…。アースクローラーは土属性魔力に反応するということなので、それを逆手に取った罠を仕掛けるのはどうでしょう?例えば、土属性魔力を帯びた石などを囮にして…。」
「それは面白いかもしれないな!エルザその辺は何か知恵を貸してくれないか?」ミツルはエルザの方を向く。
「ええ喜んで。土属性魔力の専門家であるロータスさんにも相談して、効果的な罠の開発に取り組んでみましょう。」エルザはリオナのアイデアに興味を示し積極的に協力する姿勢を見せた。
一方建築部門のリーダーであるボリスとティルダは、アースクローラーの出現による蜂蜜街道の建設への影響について議論していた。
「…アースクローラーが地面を掘る能力を持っている以上蜂蜜街道の基礎部分にも対策が必要になるな。」ボリスは深刻な表情で娘のティルダに語りかける。
「ええ。ただ単に頑丈な道を作るだけでは奴らの掘削能力に対抗できないと思うの。何か別の方法を考える必要があるわ…。」ティルダは真剣な表情で頷く。
「…ロータスさんに相談して土魔法で地盤を強化する方法を検討してみるか?あるいはアースクローラーが嫌がる素材を使って道を舗装するのも有効かもしれない…。」ボリスは様々な可能性を模索する。
「土魔法を操れたり、地中を自在に移動出来るのに土魔法で強化しても意味あるのかな?まあとりあえずやってみる!って言うのは賛成だけど。」とティルダが意見を述べる。
街道部門のリーダーであるエドガーは蜂蜜街道の安全確保と交通整理について頭を悩ませていた。
「…アースクローラーが出現するとなると街道の巡回を強化する必要があるな。それに奴らが地面に穴を掘って通行を妨害する可能性もある…。どうすれば安全を確保できるんだ…?」エドガーは地図を広げ蜂蜜街道のルートを確認しながら対策を検討する。
物流部門のリーダーであるティグはレンとリィナと共にアースクローラー対策チームの編成について話し合っていた。
「…レン、リィナ!お前たちはアースクローラーの調査で他の人達よりも接点が多いから知識や経験がある。対策チームの主力として期待しているぞ!」ティグは二人に期待を込めた視線を向ける。
「…そうだな!俺達がティグ物流を担う以上接点が多いのは!間違いないからな。3人の力を合わせて何とか出来る様頑張ろう!」レンは力強く答える。
リィナも真剣な表情で頷く。「…対策チームには強力な攻撃力を持つ冒険者だけでなく回復魔法が使える者や罠の設置に長けた者等様々な能力を持ったメンバーが必要だと思うのよね。私達の部隊だけを優遇は出来ないだろうけど、慎重に選抜していこうね!」ティグはチーム編成の難しさを改めて実感する。
警備部門はエリオットとアッシュが共同でリーダーを務めることになった。二人は蜂蜜街道の安全を守るためそれぞれの経験と知識を共有し協力体制を築いていく。
「…エリオット!蜂蜜街道の警備は今まで以上に重要になる。アースクローラーの出現は蜂蜜街道を狙う者たちにとっても好機となる可能性がある。」アッシュは冷静に状況を分析する。
「…ああ分かってる。蜂蜜街道を襲撃しようとする輩は容赦なく叩き潰す。俺たちに任せとけ!」エリオットは力強く宣言する。
園芸部門ではアリーシャとノエルが中心となりアースクローラーの影響を受けにくい蜜源植物の栽培方法を研究していた。
「…ノエル!アースクローラーは土中の栄養価の高い植物の根を好んで食べるらしいわ。蜜源植物を守るためには土壌改良とかアースクローラーが嫌がる植物があるならその植物の栽培が有効かもしれない…。」アリーシャは様々な文献を調べながらノエルに説明する。
「…アリーシャさん!それなら私が以前働いていた農園で害虫対策に使っていた植物があります!アースクローラーにも効果があるかもしれません!」ノエルは過去の経験を活かし積極的にアイデアを提案する。
商業部門のリーダーであるオルガは蜂蜜街道ブランドの確立とアースクローラー問題による風評被害対策に奔走していた。
「…アースクローラーの出現は確かに蜂蜜街道にとって大きな痛手だ。しかしこれを逆手に取って蜂蜜街道ブランドの価値を高めることもできるはずだ…。」オルガは商人としての経験と知識を駆使し新たな戦略を練り上げていく。
こうして蜂蜜街道事業は、アースクローラーという新たな脅威に立ち向かうため大きく動き始めた。
それぞれの部門がそれぞれの役割を果たし連携することで蜂蜜街道の未来を切り開こうとしていた。




