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異世界養蜂革命  作者: 華蜂師
第6章:変革への門出
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99話:物流の効率化

朝日が昇るリハルトの街で、ミツルはエルザと共にギルドホールの研究室に向かっていた。今日も、クイーンティラワスプに関する研究が進められる予定だ。

「クイーンティラワスプはどんな場所に巣を作るんだろうな」とミツルが呟くと、エルザは「普通の蜂とは違うんでしょ。もし高所に巣を作るなら、それに対応した新しい方法が必要ね」と応じた。


ギルドに着くと、彼らは早速研究を開始した。これまでの観察によって、クイーンティラワスプは視界に入らないような木の高いところに巣を作ることがわかってきた。

高所での生活は彼らにとって安全性を保証していると同時に、新たな蜜源としての魅力も持っている。


「この高い場所へのアクセスをどうするかが、これからのカギだな」とミツルは注意深く資料を見ながら話す。

エルザもうなずき、「そうね、この特性を利用すれば、今までのミードや蜂蜜の製品ラインがさらに広がるわ」と答えた。

この研究を通じて高所での作業が必要となることがわかったため、ミツルは木登りが得意な冒険者たちを募集することにした。

彼らがチームに加われば、クイーンティラワスプの蜜をより安全に、そして効率よく採取することができるはずだ。


その一方で、物流効率化のための取り組みも同様に進行していた。ティグはモンスターテイマーとしての訓練を積み、レベルアップを果たし、いくつかのモンスターを制限付きでテイムできるようになった。

その結果、彼は通常の馬よりも馬力のある「ロックホース」という魔物をテイムし、物流に利用することを考えた。

「このロックホースなら、重い荷物も問題なく運べるし、何より移動が速い」とティグは仲間たちに説明する。レンは「それなら、物流の護衛ももっとしっかり考えなきゃね」と同調し、リィナも「私たちのスキルを活かして、ティグの任務を支えるつもり」と元気に答えた。


この新たな物流チームの一員としての役割に期待を寄せる彼らを見て、ミツルも安心して彼らを任せることにした。

レンとリィナは、ティグの護衛として、実践訓練を重ね、連携を強化することが求められるようになった。

その中で、ドラゴンテイルやシルバーファングの仲間たちも彼らの訓練に参加し、各自のスキルやステータスを基にベストな戦法を考案していく。

ティグのロックホース操縦技術と、レンとリィナの護衛戦術を組み合わせたチームワーク形成が進んでいった。


そうした多様な活動がリハルトの冒険者たちの間で活発に行われ、結果として、フローリア村からベリル村、そしてリハルトまでの仮設街道整備が一層加速されることとなった。

ある日の午後、街道整備の進捗状況を確認するため、ティグはロックホースに乗って実際に新設された道を走ってみることにした。

レンとリィナも一緒に同行し、それぞれの役割を実践する。レンは前方の警戒を、リィナは周囲の確認を行い、情報を素早くキャッチしながら進んだ。


道中、ティグは驚くほどスムーズに荷物を運びながら、その機動力の高さに自信を深めた。「これなら街道整備が完成した後、効率的な物流を実現できるはずだ」とティグは確信した。

帰路では、ギルドに寄り、冒険者仲間にその手応えを報告する。

「新しい街道のおかげで、物流の流れが劇的に変わりそうだ。これで地域経済もさらに活性化するだろう」とティグは話し、仲間たちもその話を聞いて期待に胸を膨らませた。

またあの日、ミード製作隊のメンバーとも会話を交わし、「ミツルの進める養蜂と物流プロジェクトが相乗効果を生み出しているね。これからもっといいものが作れるかも」と談笑する中、一層の協力を誓い合った。


夜更け、再びギルドで行われた会合では、冒険者たちが次のステップについて話し合った。

バルドウィン卿は「今回は大きな進展があったようだな。物流が改善されれば、この地域の活性化には大きな意義がある」と述べた。

すべてがひとつに結びつき、理想の地域を目指す取り組みが具体化していく。


ミツルたちは、これからもさらなる進展を目指し、各自の専門分野で力を尽くす覚悟を共有していた。

コミュニティが一丸となって歩むことで、目指すべき未来はますます近づいていると感じるのだった。

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