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底から  作者: ぼんさい
50/98

魔界編 ススカ 40 ~ダンテ編~

最近はもう疲れた。


急に魔王に成ったとかいうメラン。


街が守れたんだから良いんだ、感謝はしている。


彼女達が居なかったら俺もここには今居ないだろう。


でも、する事が滅茶苦茶だ。


昨日は、でかい魔獣を連れ帰ってくるし、今日は壁を作って門を移動させやがる。


その門を巨木で覆ってしまうメラン。


セリカの魔力だとか言っていたが、誰の魔力だろうが、おかしいんだ。


今日は日勤だ、帰って酒でも飲もう。




このひたすら続く木の階段を昇っている。


彼女が生やした木、その中に階段があって、所々に窓の様に空間が空いている。


そのうち、これにも窓を付けないと。 4か所あるんだよな?


そういえば、広く成った壁の人員配置も考えないと。


酒なんて飲んでいられるのか俺。



色々考えながら階段を昇る。


一応配置した衛兵たちに声を掛けながら、ずっと昇る。


西側が見える一番いい位置にある窓。


そこにたどり着いた。


「何か異常はあるか?」


「守備隊長、特に異常はありません!」


この場所が異常だけどな。


ここからは眼下に3個の街道が見える


左に、ザラナなどの他の街へ行く道


真ん中に、ベルゼブブの城へ続く道


右に、鉱山へと続く道。


主要な街道が真下で交わっている。



右と左は相変わらず混んで列が出来ているが、真ん中はあまり人が居ない。


俺達は、勇者の様な光の者を、都市内に入れない為に、荷物までチェックしている。


あいつらが持って居る聖書や、神具と言った物をひたすら探しているのだ。


街の中で使われたら街が滅びるからな。


それ以外はメランが領主に成ったことで変わってしまった。


とある種族の入場も許可していなかったのだが、それはもうしていない。



赤い時だと言うのに、消えない列は、彼女達が今日一度その検査を止めたからだろう。


列を作っている奴も、壁の中で寝たいだろうしな。


壁の中には彼女達が連れて来た、魔獣が居るが大人しくしている。


今は疲れ果てて眠っているようだが。


長い列を見ていると、今日の酒は諦めるしかないな。



その後、少しその風景を見ていた。


遠くにはあの未開の森も見える。


ザラナは流石に見えないか、街道を動く人が減っている。


ベルゼブブの城の方から緑の軍団が見えている気がする。


目をこする。 何回もこする。


でもやっぱり見ている。


街道を無視するように広がる緑。


定期巡回にしてはおかしい数。


メランが何か約束をしたのか?


ゾロゾロ押し寄せる集団から目が離せない。


"ゴーーン" "ゴーーン"


背後から何か音がする。 鐘?東門? そんな気がした。


近づいて来る緑の軍団。


その後ろの方から、大きな火の玉が飛んで来た。


「伏せろ!」


思わず叫んで木の壁に隠れる。


明るくなる階段。


でも、火は入ってこない。


恐る恐る窓を確認する。


10個ぐらいの火の玉がこちらに向かってくる。


「まだ来るぞ! 伏せろ!」


何回も明るくなる階段。  火は相変わらず入ってこなかった。


静まる階段、何が起きた。


ベルゼブブ城の方から、来た緑の軍団。


ここに打ち込まれる火の玉。


メルサが失敗したのか、ベルゼブブの軍勢が攻めてきている。


「門外の魔人を全部入れて、門を閉めろ! ベルゼブブが攻めてくるぞ!」


そこからは、考えず行動する。


ひたすらに階段を降りて目についた衛兵に、同じことを伝える。


長い長いこの階段、門の上部までたどりついた。


鐘が見える、メランに知らせないと。


力任せに鐘を鳴らすと、木が反響した様に震える。


「下はどうなっている。 誰かわからないか!」


皆が下に向かっていて分からない。


自分も行くしかない。


一人捕まえて、鐘を鳴らすように言うと、下まで降りた。


人がまだ流れている。


誘導する衛兵達、馬車が魔人が、悲鳴を上げながらススカになだれ込んでいく。


火の玉は、壁に向かってか、低空をを何回も何回も飛んで行っていた。


もう壁は崩されたかもしれない。


「1班は門で防衛! 2.3班は壁で弓と魔法を構えろ! 残りは門外で待機!」


西門は衛兵が多い、常時100人は居るその門。


とりあえず人を振り分ける。


人が途切れた。


「門を閉めろ!」 「閉門!」 「閉門!」


ジャラジャラ鳴る鎖の音と共に、土煙を上げながら門が閉じる。


緑の軍団はやはりサイクロプス共だ、槍やこん棒を手に、その大きな体はノシノシとこちらに近づいて来る。


壁の状態を見たい、門をから離れ、木のトンネルを抜ける。



壁は壊れていなかった、ただ火の玉が当たる度に、向こう側が光っている。


それをみて壁の上に行けない衛兵達。


あんな所に行ったら死んでしまう。


火の玉は当たり続けるが崩れそうにない。


「おい、ダンテ!」


ムジさんが、声を掛けてくる。


「魔獣共起きねぇ。 すまねぇ。」


「魔獣起こしてどうするんだ。 ムジさん。」


「あいつ等なら何とかすると思ったんだがな。 そうやら無理みてぇだ。」


「そうか、分かったムジさん。 逃げといてくれ。」


街に向かって走り出すムジさんのと入れ替わりにケンタウロスがやって来る。


「守備対象、東門にルシファー軍。 おそらく侵略かと。」


「メラン達はどうした? 宿か?」


「それが、皆消えてしまったとの事です。」


「消えた? 消えたってなんだよ。」


「自分もわからないのです。 ただ、この場には居ないようです。」


メラン達が居ない。


あの勇者が来た時と同じだ。 自分達しか居ない。


「元臣民の諸君、そこを開けろ。 俺を通せ。」


マントを着た男が、トンネルまで来て叫んでいる。


凍り付く空気。


男はずっと肉を食っている。 あれはベルゼブブ本人ではないか?


「通したら、ルシファーから助けてやる。 その代わりドラゴン退治は2倍だ。」


助ける? 今まで一度も来た事が無いのに。


勇者が来た時何もしなかった奴が?


勝手に体が動いていた。 降りている門まで走る。


イライラしているのか肉を食うスピードが速くなるベルゼブブ。


「ススカの街は、メランの物だ。 他の魔王はお引き取り願いたい。」


周りの衛兵が俺を見る。


これとサイクロプスと今から戦うんだ。 それを俺が決めてしまった。



「めんどくせぇな、全滅を覚悟しろよ。」



ベルゼブブは遠ざかる。


変わって、赤い宝石の付いた杖を持ったローブが出てくる。


「ベルゼブブ様の言葉に従わないなんて、お前ら馬鹿だ!」


赤く光る宝石、そこから門にあの赤い玉が放たれた。


赤く染まる視界、死ぬと思った。


でも目の前でその赤は消えた。


「どうなっている。 木も壁も門も私の魔法を受け付けない。」


何度も放たれる火の玉、しかし何度やっても一緒だった。」


「アスタロト、お前魔力落ちたんじゃねぇのか。」


ベルゼブブが手をこちらに翳す、薄い透明な物が手に集まって来る。


それが、門に放たれた。


吹き荒れる風、だがこちら側には何も来ない。


「ベルゼブブ様も、落ちているのではないですか?」


「うるせぇ、アスタロト。 ぶっ殺すぞお前。」


「サイクロプス達、あの壁を昇って中の魔人全員殺してきなさい。 私は後でいきます。」


二人で言い合いをしていたが、サイクロプス達に命令すると、緑の集団が動き出す。


壁を超える?


「1班はここに待機!」


トンネルを街側に出る。


壁の外側の喧騒だけが聞こえる。


壁の上の衛兵が木の際で隠れながら弓を下に放っている。


徐々に姿を現したサイクロプスの大きな手が壁の上部に手を掛ける。


出てくる一つ目に矢が当たる。 顔を抑えて落ちていくサイクロプス。


だがその奥では、身を乗り出したサイクロプスがこちら側に飛び降りそうとしている。


「残りの者は、壁を乗り越えて来たサイクロプスを討伐しろ!」


俺もその飛び降りそうなサイクロプスの所まで走る。


大きな足で地面を揺らし入ってきたサイクロプス。


此方を見て、大きなこん棒を振りかぶる。


こんな大きいの戦った事が無い。




上から雷撃が放たれた。


そのまま焦げて倒れるサイクロプス。


援軍か? 電撃を放つ奴なんか……


飛び越えてくるサイクロプス達が次々に雷に打たれるれ倒れていく。


「守備隊長、全部は無理よ。」


ピンクの髪、サキュバスのローズがその雷を放っていた。


彼女だけに任せていられない。


「全員で1体に掛かれ!」


一番近いサイクロプスに突進していく。


振りかぶった斧、なんとか軌道を避けて、足を切る。


その固い皮膚は、剣を返してくれない。


いつくも刺さる剣に、サイクロプスは足を手で払うと、そのまま斧で薙ぎ払う。


斧に当たり、飛び散る衛兵達。


壁から、羊の斧のヘルメットをかぶったデカイのが顔を出した。


その上に乗ったアスタロトと呼ばれていたローブが、あの杖をこちらに向けてくる。


火の玉が目の前まで迫ったが、目の前でシールドが出来て消えた。


「何回も持たないわ、逃げて!」


ローズが叫んでいる。


そのローズに向かう火の玉、彼女は避けると、そのまま雷撃を羊頭に当てるが、何も起こらない。


「クッ、通らない。」


殺到する火の玉が、草原を焼いていく。


吹き飛ばされる衛兵がどんどん増える。


目の前のサイクロプスが斧をまた振りかぶった。




「一郎、二郎、寝てるんじゃないの! そこの何とかしなさい!」


頭に響く声、メランの声。 帰ってきたのか?


"ンモォォォオ"


叫ぶイノシシ。 サイクロプスはそちらに目をやり固まっている。


ドスドスこちらに向かってくるビッグキングボア、空ではファットコカトリスが舞っている。


「本気でやらないと、殺すよ。」


その声に、ファットコカトリスが黒い光線を目から出す。


当たったサイクロプスは石に成ってしまう。


目の前のサイクロプスが振りかぶるのを辞めて、逃げていく。


羊頭からは、ビッグキングボアへ、火の玉が飛んでいく。


物ともせず前進するイノシシの目が茶色に光る。


光った目から発せられた茶色い光は、羊頭を射抜いた。


手だけ見える羊頭とと共に、火の玉も沈黙してしまった。


もう片目の茶色い光は、壁に居たサイクロプスに穴を開けている。




街道を挟んで逆側では、白いデカイ猫が何処からか現れていた。


5mぐらいのデカイ猫、真っ白なそれは目まで白い。


尻尾が9本ある猫は、尻尾から雷や火や水の魔法を出して、サイクロプスにぶつけている。


焦げて、焼けて、射抜かれて倒れるサイクロプス達。


知らない間に、だいぶ街の方に抜けられていた逆側のサイクロプスは全て倒されていた。




あっけに取られて見ていると、ユニコーンが近づいて来る。


伝令かと思ったが、ユニコーンなんて守備隊に居ない。


そこからムジが飛び降りて、腕を組んでその状況を見ている。


「わしの言う事聞かないからだぞ、お前ら。」


魔獣達が止まる。 今までの攻撃していた気迫が嘘のようにウルウルした目でムジを見ている。


「メランには黙っといてやるよ、とりあえず頼むな。」


ガハハハと笑うムジ。 魔獣達の攻撃はより一層激しく成った。




魔獣達が現れてから、5分ほどで完全に戦況が変わってしまった。


草原には石になったサイクロプスがオブジェのように点在している。


その他にも倒れているサイクロプス多数。


ベルゼブブは逃げてしまったのか、トンネルからもサイクロプスを見ることはできない。


「防衛成功だ、ベルゼブブは逃げた、勝鬨を上げろ!」


「「「「「オー!」」」」」

"ブモォォォォ"

”キエェェェ"


生き残った衛兵は剣を掲げ


イノシシは腕を上げ、鶏は羽を上げる。


何人か上半身裸の奴が居たのが少し不思議だった。

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