表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
65/66

065 とある会議室は時間がズレる

 ゼプト防衛機構アーク支部の会議室に三人の男たちが集まっていた。


「行方不明の事件はリストクラス二体が首謀者だっただと?」


「なるほど、リストクラスが二体絡んでいては情報が入る前に隊員が消されていたのも納得がいく」


「問題はコンバーターだ!なんだこの報告は!一人でその二体を倒しただと?ふざけた報告を上げてくるな!どうせ今回参戦した抜刀のサクラが削ったところをこのコンバーターが最後だけいいとこを取ったんだろ!」


「私もそう思いたいところだ。だが、もし事実だとすれば、このコンバーターは危険だな。あの魔女は何を考えている。どこかでコンバーター諸共あのやっかいな魔女もどこかで消さなければゼドの脅威となるぞ」


 そうだそうだと会議室では満場一致の意見となる。


 そんな会議室に突如、扉を勢い良く開く音が響いた。


「いやー、皆さんお疲れー」


「魔女……アザト・マルトリス!貴様!なぜここに来た!」


「あれ?会議室間違えたかな?」


 アザトはまるですっとぼけた様子で男たちの会議の場を乱した。


「用がないなら出ていけ!」


「いやー、そんな怒らないでよ。折角西区の行方不明事件を解決できて喜ぶところでしょ。それよりアタシたちの魔女の時計の活躍凄いと思わない?」


 行方不明事件について触れられ、男たちは冷汗が流れる。この魔女は明らかにこの場を狙ってきていると直感した。


「感謝の言葉でも貰いにきたのか?無事任務を遂げてもらって助かった。それには感謝しよう」


「うんうん、特にルーキーのレーイチが凄かったでしょ。まあ仲間の援護もあったとは思うけど、一人で二体のリストクラスを倒して凄いよね。論功行賞ものだ」


「……そうだな。だがコンバーターがこんな力を持つのは危険ではないか。この世界にいつ牙を向くか分からん」


「それは偏見だよ。レーイチは自分の意思で頑張ってるよ。それにこの戦力を危険だって判断する人たちの方が、危険じゃないかなってアタシは思ってるんだ」


「……何が言いたい?」


 男たちはなぜか段々と網を狭められているような感覚だった。だが、この部屋のログは既定の時間まで別の情報で上書きされるようになっている。ここでの発言は記録に残らない。


「コンバーターだからとか変なこと言ってると、足元が危ないよって話」


 この場にいる男たちは全員心臓がドクッと鳴った。この魔女は以前この事件を使ってけしかけようとここで示し合わせた意図について気が付いている。故に釘を刺しにきたのだと。


「そうか。魔女、その忠告は受け入れよう」


「そうだね、そうした方が良いね。ちょっとアタシもね、今回はうちの大事な事務所のメンバーが何やら意図的に危険な任務に割り当てられてちょっと気が立ってるんだ」


 アザトの言葉に男たちは心臓の鼓動が早くなる。敵に回してはいけない相手を完全に敵に回してしまった。


「ま、アタシはとりあえず無事にみんなが帰ってきたから良かったよ。次は変な依頼は事前に潰しておかないといけないね。アタシが言いたいのはそれだけ」


 そしてアザトは会議室の扉を開く。男たちはようやくこの魔女から解放されると安堵した。


「あー、そうそう、ここの会議室の空間、ちょっと時間がズレてるよ。そこの時計から一時間くらい会議室の外は進んでるからお約束がある場合には気を付けてね。それじゃ」


 そしてアザトは不可解な言葉を残して会議室を去っていく。


「どういうことだ?」


「一時間ズレているだと?」


「……まさか!あの魔女!」


 男は気づいた。この会議室は会議を始めてからの一時間会話の内容のログの改竄を行うように細工をしていた。ではもし、その時間を超えた場合どうなるか?それは通常通り会話のログは自動で取られ保存されることになる。


 それから男たちは密かにゼドから姿を消すこととなった。なぜゼドから姿を消すことになったのか、詳細を知るものは極少数に限られた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ