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064 コードを貰って

「レーイチ!大丈夫!」


 アクセリアはレーイチに心配そうに駆け寄った。


「ああ、大丈夫。疲れただけだよ。あとコードが空っぽになった」


「もう!馬鹿!心配させないでよ!」


「ごめんごめん」


 レーイチは笑って謝り、アクセリアもその笑みに釣られて自然と笑っていた。


「二人とも!無事かい!」


 レーイチとアクセリアの元にニルタ、タルタス、ノルフィ、サクラが駆け寄り、今回の事件解決に導いたチームが誰一人欠けることなく集結した。


「コンバーター、何て姿をしてるのよ」


「今日は本当に頑張ったしコードがもうないんだから今は許してよサクラ。あと今日は助けてくれてありがとう」


 サクラは流石に今回のレーイチのことを少しは評価したのか、特にそのあと毒を吐いてはこなかった。


「お疲れ様、レーイチ君。今回は何から何までレーイチ君に助けられたよ。流石、期待のルーキーだったね」


「そんなことないですよ。俺もみんなに助けられました」


「謙虚だね、レーイチ君は」


 ニルタとレーイチはお互いに笑いあった。


「レーイチ、改めて礼を言うぜ。助けてくれてありがとうな。あと……お前に悪いこと言った。すまねぇ」


「いいよ、事情が事情だ。気にしてない。あ、でもアリアに言ったやつは訓練場で一回俺がボコすから忘れるなよ」


「ああ、俺もその生意気な口を一回閉じさせてやるから覚えておけ」


 そしてレーイチとタルタスは拳をお互いにぶつけるとニヤリと笑った。


「レーイチ君、大丈夫?怪我はない?」


「ノルフィ、ありがとう。大丈夫、怪我はしてるけど酷くないよ。コードが無くてしばらく動けなさそうだけど」


「良かった。私も今日は助けてくれてありがとう。何ていうか……その……とってもかっこよかったよ」


 ノルフィは頬を赤くしながらモジモジとしていた。レーイチはそれを見てもノルフィが無事なら良かったと特に何かを察してはいなかったが、アクセリアはここでまたしてもモヤッとした何かを感じてしまった。


「コードが少ないなら私のコネクトのユニードで分けてあげるね」


「何か悪いけど、このまま何も出来ないほうが悪いからお言葉に甘えようかな」


 そしてノルフィはレーイチの手を握るとコネクトのユニードを発動する。人と人を繋ぐユニードを通し、ノルフィのコードがレーイチへと流れ込んでくる。人からコードを分けてもらうというのは不思議な感覚だが、人からのコードというのはまるでその人そのものを表すかのようで、ノルフィのコードは温かく、優しいコードであり、ホッとするようなものだった。


 レーイチがノルフィと手を繋いでコードを受け取り、安心しきったような顔を見たアクセリアは更にモヤッとした感情を抱く。


「ノルフィ、私のコードもレーイチに使って」


「え?アリアも疲れてるでしょ?動ける程度になら私のコードだけで大丈夫よ?」


「使って」


「え、う、うん」


 有無を言わさぬアクセリアにノルフィはイエスとしか返せなかった。


 アクセリアの手をノルフィは握り、レーイチにコードを分け与えていく。コードは面白いことに人によって違い、アクセリアのコードは活力に溢れたコードで少量受け取っただけでも力が溢れてくるようなものだった。最初はノイズが乗ったのか何か霧がかかったようなコードを受け取ったが、それ以降はアクセリアらしい元気なコードが供給された。


「アリア、ノルフィ、ありがとう。もう動けるよ」


「良かった。足りなくなったらまた言ってね」


「そうならないように気をつけるよ」


 そしてレーイチ達のもとに事件を聞きつけたゼド所属の人たちが集まってくる。彼らは対アンチコード専門ではなくそのサポートや事後処理などを行ってくれる人たちだった。人も集まり段々と場が騒がしくなってくる。そして空は段々と明るくなり、夜明けが近い。


「とりあえず全員病院行きかな。特にダメージの大きいレーイチ君とアリアとノルフィはよく診てもらうんだ。僕も報告を終えたら向かうよ」


「ありがとう、ニルタ。任せるわね」


 そしてレーイチ達は駆け寄ってきた救護班に怪我の状態を伝え、病院へと運ばれることとなった。

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