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058 その減らず口をきかなくするために

「サクラ、雑魚を頼む」


「ええ」


 サクラは短く答える。レーイチの怒りについてサクラは深く聞くことはなかった。


「私もあなたのその減らず口を利かないようにしないと気が済まないわね」


「俺も同じだよ」


 両陣営の緊張が高まっていく。そしてレーイチは剣を構え、肺に空気を最大に送り込む。


「アクセラレーション」


 レーイチは足場を変化させ、ツトラーサへ向けて加速する。


「正面から突っ込んで来るなんて馬鹿ね!」


 ツトラーサは小型植物を五体ほど前面に展開し、レーイチに仕向ける。


 だがそこに桜色の髪の少女が割って入った。


「遅い」


 一閃。レーイチに仕向けられた小型植物たちは突如絶命し、白い粒子をまき散らしながら真っ二つとなっていた。


 そしてその粒子を突き破り、レーイチはツトラーサに斬りかかった。


「ッ!」


 ツトラーサは瞬時に触手で防御し、レーイチの剣を防ぐ。ツトラーサはその一瞬の出来事に驚きを隠せない。他のゼドの隊員ですら小型植物を複数を相手にするのは難しいはずだった。それがサクラは紙切れ同然に一瞬で斬り倒してしまった。このまま二人に斬りかかられてはマズいとツトラーサは判断する。


「お前達!合体してそのサクラを相手しなさい!」


 レーイチの剣を防ぎながらツトラーサは指示を出すと、残りの小型植物は命令通り一つに集まりだす。体と体を寄せ、蔓と蔓を絡み合わせ、やがて小型植物から四メートルはあろうかという巨人に生まれ変わり、サクラの前に立ちはだかった。


「有象無象が集まったところで、何も変わらないわ」


 サクラはその巨人の胴をカウルソードで容易く横に一刀両断してみせる。LCアンチコードとは言え、それが集まればその強度はリストクラスに匹敵するものになる。通常なら刃を食い込ませることすら困難なはずであるが、サクラにとってそれは関係なかった。


 だが巨人は上下に分かれた体を蔓と蔓で再度結びつき合わせると、その巨人は元の姿にあっと言う間に再生した。


「……再生が早い」


「サクラ!」


「自分のことに集中しなさい!」


 そう言われ、レーイチは目の前に迫ったツトラーサの触手をカウルソードで弾く。


「本当にお人好しね。でもそうあってくれた方が、私は殺しやすくてとてもありがたいわ」


「いや、今のは俺が悪い。サクラのことを信じて、俺はツトラーサ、お前を斬る!」


 そしてレーイチはツトラーサに集中する。カウルソードと触手が激しく斬り結ばれる。


 攻めてくる触手をレーイチはカウルソードで弾き、弾いた隙にツトラーサへ剣を振るう。ツトラーサはその剣を触手で弾いては別の触手をレーイチへ放つ。両者の攻防は拮抗した。


「生意気よ。一気に貫いてあげるわ」


 ツトラーサは一瞬距離を取ると複数の触手を放ち、多角的にレーイチへ攻め入る。


「左右正面から同時か!」


 これにはいくらツトラーサに対抗できているレーイチとは言え、カウルソード一本では全てを受けきることは不可能であった。多方向からの触手を前にレーイチは瞬時に足元へ左手を触れた。


「リメイク・カスタム!」


 レーイチは石柱を発生させ、多角的攻撃を迎撃する。石柱と触手がぶつかり合い、それにより石柱は砕け、触手は大きくひしゃげて使い物にならないような形に変形していた。攻撃を全て相殺したレーイチは再度カウルソードを構えるとツトラーサへ距離を詰めて攻めに転じる。


「その攻撃は読んでいるわ」


 石柱の迎撃からレーイチが飛び込んでくることをツトラーサは予想しており、先手で触手を放つ。


「オオオオオオッ!!」


レーイチはそれをカウルソードで受け流すが、完全には受けきれず体に傷が増していた。しかしそれは織り込み済みといったように勢いそのままにツトラーサに斬りかかった。


 ツトラーサはそのレーイチのカウルソードを受ける形となった。ツトラーサは触手を多角的攻撃に使用したために防戦を強いられた。だがその防戦を今にも破らんとばかりにレーイチは剣戟を強める。金属音が響き渡り、その猛攻を受けたツトラーサの触手はダメージが蓄積していく。


「クッ!レーイチィッ!」


 ツトラーサは防御している触手に限界が近いことを悟った。故に急ぎ先ほど攻撃に放った触手の再生を急ぐ。


 ツトラーサの触手の再生を見たレーイチは剣戟だけでこのまま崩し切れないと判断する。崩し切るにはカウルソードにコードを流し込んだ重い一撃を放たなければならないが、それには溜めの時間が必要となる。


「だったら!」


 それならばとレーイチは剣戟から一転し、ぐるんと左足を軸に回転する。そして右足にカウルを集中させツトラーサを思いっきり蹴り飛ばした。


「カウルスマッシュ!」


 その攻撃を受けたツトラーサは後方へ大きく蹴り飛ばされる。そうして二人の間には物理的な距離と時間ができた。


「アクセラレーション!」


 レーイチは足場を変化させてツトラーサを追う。そして左腰にカウルソードを構え、コードを流し込み、その刃を白く輝かせる。


「フォトンスラッシュ!」


 カウルソードから放たれた白い刃がツトラーサを襲う。それは今のツトラーサにとっては受けきれない斬撃。そしてその白い刃は直撃の光を放ち、ツトラーサはそのまま広場に落ちていった。

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