048 作戦開始前
そして時は流れて作戦決行の夜の時刻を迎えた。
レーイチはユニードを使用し、隊服のジャケットをフードパーカーに変化させてフードを被り、一般人の変装をしてた。カウルソードは背中の腰にセットし、パーカーの裾で隠した。傍から見れば通行人の一人に間違いなく見える格好である。一方、アクセリア達は街に溶け込むようにグレーの迷彩のマントを羽織って視覚的に捉えにくいような格好をしていた。
「レーイチ君のその服は買ったのかい?」
「これは俺の作り変えるリメイク・カスタムのユニードで形を変えただけです。性能はそのままで見た目だけ変わった感じです」
「それは便利だね。今度僕も作って貰おうかな」
「デザインのセンスには期待しないでくださいよ」
昼の張り詰めた空気とは変わって今は和やかな雰囲気の会話が行われており、これから危険な任務が行われるという緊張が和らぐようであった。
そしてニルタは腕時計を確認すると、任務にあたる真面目な表情に変わった。
「さて、そろそろ時間だね。改めて作戦を確認するよ。まずレーイチ君は人通りの少ない道を夜明けまで歩いてもらう。そして僕たちはレーイチ君のバックアップで距離を取って屋根の上を移動だ。今回相手が釣れるかは分からないけど優先することは相手の情報を得ること。もし戦闘になっても決して無理をせずに身を守ることを優先するんだ。分かったね」
「「「「了解」」」」
全員声を合わせて返事を返す。いよいよ始まると緊張感が漂ってきた。
「あの、レーイチ君、無理しないでね。後ろには私達がいるよ」
「ありがとうノルフィ。後ろは任せた」
「うん、分かった」
笑みを返すノルフィにレーイチも笑みを返す。
その様子を見ていたアクセリアはどこかモヤモヤとした感情を抱いていた。
「アリアも声をかけたらいいじゃないか」
アクセリアの隣にニルタは寄るとそう言葉をかける。
「いいわよ、別に。私はレーイチを信じてるから」
「その信頼関係は羨ましいね。けど、言葉にした方がいいこともあると僕は思うな」
アクセリアはニルタに諭されて尚、なぜか素直にレーイチに声をかけられなかった。
そのアクセリアの心境を知らず、レーイチは出発前にアクセリアに声を掛ける。
「アリア、後ろを頼む。危なくなったら援護よろしく」
いつもの調子でレーイチはアクセリアに声を掛ける。
アクセリアはそれを聞くと不思議と今までのモヤモヤとした気持ちが少しだけ晴れていくようであった。
「うん、安心していってらっしゃい。私はあなたの側にいるわよ」
それを聞いたレーイチは安心した。頼りになる相棒がいるのはこれから暗闇を一人で歩く身にとって非常に心を強く持てるものであった。
勇気をもらったところでレーイチは一人、アンチコードを釣り出すために暗闇へと歩み始めた。




