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045 コルトネット兄弟

 レーイチとアクセリアがこれからのプランについて話をしていると、声を掛けてくる人物が現れた。


「や、お疲れ様」


「お疲れ様、ニルタ、タルタス、ノルフィ」


 アクセリアが手を振り返事を返す相手はレーイチやアクセリアと似たゼドの白い隊服ジャケットの三人組であった。お互いに顔見知りであるのか、アクセリアと三人は和やかな雰囲気であった。だがレーイチはゼドに所属して間もないため今回が初の顔合わせとなる。


「アリア、こちらの三人は?」


「レーイチは初めてよね。左からニルタ・コルトネット、タルタス・コルトネット、ノルフィ・コルトネットよ」


「よろしく、レーイチ君」


 ニルタは爽やかな笑みを浮かべながらレーイチに右手を差し出す。レーイチも同じように右手を差し出し握手を交わした。


「レーイチ・シンドウです。つい最近ゼドに所属したばかりです。どうぞよろしく」


「よろしく、レーイチ君。最近所属の魔女の時計のルーキーといえば、入隊試験でド派手にデビューした有名人だよね。性能の良いロボットを造って他の参加者を蹴落としたとか」


「あの試験の日は酷かったわ、レーイチ……」


 アクセリアはジト目でレーイチを見る。


 レーイチはあの試験の日に自分で斬り倒したロボットを修復し、それが思ったよりも高性能になってしまったことを思い出す。


「いやいや、そんな目立つつもりは全く無かったんだけどね。えっと、三人同じコルトネットということは兄弟で合ってますよね?」


「ああ、僕たちは兄弟でチームを組んでいるんだ」


 コルトネットという姓の通り、三人は兄弟であった。


 ニルタは三人の中の長男で、高身長に爽やかな笑みと社交的な雰囲気、サラリとした金色の髪が良く似合う女子ウケ間違いなしのイケメン男子。下の弟と妹の二人を見てきたことからも自然とリーダーシップを発揮しており、今いるメンバーの中で最年長ということもあり頼り甲斐がありそうであった。


 タルタスは二番目の次男で、ニルタと同じ金色の髪色をしているがツンツンと髪が立っており、初対面のレーイチに対して心を許す雰囲気はなく、どこか敵対的な視線をレーイチに送っている。


 ノルフィは末っ子の長女で兄二人とは対照的に銀色の髪色をしており背中まで伸びた髪が美しい。女性の平均的な身長をしているが、張り出した胸がアンバランスさと魅力を放っており、小動物のようなどこか自信なさげな雰囲気からは可愛らしさがある少女であった。


「兄弟でチームを組んでいるなら息が合った動きができそうですね。三人が合流ということは同じ行方不明者の調査をしていると思っていいですか?」


「勿論そうだよ。被害が拡大する前に止めないとね。それでまずは情報の共有をしようか」


「それは助かります。こっちも色々と共有したいことがあるんです」


 それから五人はお互いの情報を交換し合うことになった。


「まずは二人の状況から聞きたいな」


 ニルタから状況を聞かれたのに対してアクセリアは自分の知っている情報を話し始める。


「私たちは前情報の行方不明者が出ている情報と、白い粒子を見たって情報とアンチコード襲撃事件の話とそれにつながる仮説ね。まず白い粒子の情報はハルマ区長からの提供よ。昼頃にハルマ区長を狙った小型植物のアンチコードからの襲撃事件があったの。その解決をしてからハルマ区長と話す機会があって、事件の日に白い粒子が上がったのを見た人がいるって言ってたわ」


「それは大変だったね。それにしてもアンチコードか。ハルマ区長には怪我はなかったかい?」


「ええ、相手はLCアンチコードだったから護衛の人たちと私とレーイチで問題なく解決できたわ」


「それはよかった。それで、仮説っていうのは?」


「ええ、これが私たちの本題なのだけど、今回の件はリストクラスのアンチコードが絡んでる可能性があるわ」


 アクセリアのその言葉に三人は驚きの表情を見せる。


「それは何か確証があるのかい?」


「まだ確証はないわ。でもハルマ区長を襲ったLCアンチコードは狙ったように同じ場所に複数体現れたの。そして連携を取るような行動を見せていたわ」


「それはつまり、こちら側から呼び込んだアンチコードがいる。そしてそれができるのは、リストクラスのアンチコードだけってことか」


 アクセリアは頷く。ニルタのチーム三人はそれならアクセリアがリストクラス絡みであると言っていることに現実味があると納得した。


「僕たちも今日からこの現場に当たってるんだけど、得られた情報はブリーフィングで得た情報の他だと人とは違う形の伸びる手のような陰があったっていう情報なんだ」


 その情報を聞いたレーイチとアクセリアはより真剣な表情を浮かべた。伸びる手というものは明らかに人ならざる者に他ならず、その伸びる手というものはハルマ区長を襲った小型植物の触手と同じようなものの可能性があると思った。


「つまり俺たち魔女の時計側の情報とニルタさん達の情報を合わせると、今回の行方不明者はアンチコードによるものという線が濃くなってきましたね」


「そうだね。僕も同じ考えだ。あとLCアンチコードは小型植物って言ってたかな?そうすると写真にあった擦れたような跡をつけたのはその小型植物かそいつらの親玉ってところかな。すると今回はその親玉を倒すことが目的だね」


(この人鋭いな。話を全部理解してアリアがまだ話していないところの答えに行きついてる)


 レーイチはニルタのその情報処理の速さに感嘆する。チームをまとめるリーダー故の状況処理能力の高さからくるものなのだろうとは思うが、それに加えて関わった場数が違うのだろうと思った。そしてそれ故にこの人は頼れるベテランだと実感した。


「その親玉を倒すにあたってアリア達は何か情報はあるかい?」


「ごめんなさい。そこまではこっちも情報がないの」


「そうか……。そこは僕たちも同じだね。同じく姿を見たことがない状況だ。そうなると目的は分かったけど、分かってるのは相手がリストクラスのアンチコードっていうのだけだね。これだと対応する情報が足りないな。どうしようか……」


 ニルタは対応について今後どうするべきかと思考に沈む。他のメンバーも同じように何か手が無いかと考えた。

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