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025 ゼプト防衛機構入隊試験②

「次、レーイチ・シンドウ」


「はい」


 人のユニードに気を取られていたが、自分の名前を呼ばれたレーイチは返事を返すと前に進み出る。


「君はコンバーターでありながらリメイクとカスタムの二つのユニードを持っているらしいな。遊びで来ているなら恥をかく前に辞めておきたまえ」


 試験監督のその言葉に周りがザワつきだした。


「あいつコンバーターなのかよ」


「コンバーターが何でゼドに来てるんだ。危険じゃないか」


「二つのユニードとか嘘言ってるんだろ?」


 ひそひそと話し声が聞こえてくる。それはコンバーターというこの世界で異質で問題を起こした人種であることと、数人しか居ないと言われている二つのユニードを持っていることが原因であった。そしてなぜ余所者がこのゼドに来ているんだという意見も見受けられ、このユニードの試験監督も同じような意見を持っているようであった。


「二か月前のアンチコード襲撃で小さな女の子を頑張って助けようとした人間が、遊びに来るわけないでしょう」


「ではその言葉に恥じないよう実力を見せてみたまえ」


「勿論、そのつもりです」


 試験監督の皮肉をレーイチは軽く受け流し、右手を掲げて構えを取る。


「見ろよ、何だ?あの構え。隙だらけじゃないか」


「アンチコードに狙ってくれって言ってるんじゃないか?コンバーターなんだ。どうせ大した事ないだろ」


 周りからはレーイチを馬鹿にするような声があがる。


 その声を無視し、レーイチはコードを右手に集中させ、目の前の破壊対象の的に集中する。そして開放する。


「リメイク・カスタム!」


 その言葉と共にレーイチは右手を地面に振り下ろす。


 瞬間、レーイチは周りから四角の石柱を何本も発生させ、的を串刺しにして原型が留まらないほどに破壊し尽くした。


 これには他の参加者は絶句する。最初の二人に比べてユニードのキレとその物理的な破壊力。思わずあの的がもし自分だったらという想像をしてしまった。


「以上です」


 レーイチが終わりを宣言すると、試験監督は表情に出さないようにはしているが、明らかに驚きの様子がうかがえた。そしてレーイチを馬鹿にしていた参加者も声が出ない。


「と、とても良いユニードだ」


「どーも」


「そのユニードが我々の敵とならなかったとこに我々は幸運と言うべきかな」


「何ですか?コンバーターはみんな、ゼプトの人を恨んでるとでも言うんですか?」


「そうとは言わんが、過去の歴史も併せて、そうなることがあるということだ」


「それはコンバーターにもゼプトの人にもお互いに原因があったからでしょう。少なくとも俺は違うので正当な評価をお願いしますよ」


「ああ、それは保障しよう」


 レーイチと試験監督はお互いに棘のある言葉を交わした。レーイチはこれ以上この場にいると場の空気が悪くなると感じ、ユニード実演のスペースから次の模擬戦のスペースに向かうことにした。残りのユニーダーのユニードを見てみたかったが、それ以上に面倒ごとに巻き込まれたくなかった。


 一方、二階席ではレーイチのユニードにどよめきが起こっていた。


「なんだあいつは!訓練生であんな話題になるやつ見たことも聞いたこともないぞ!資料はどこだ!」


 そして一同は手元のデバイスを操作してレーイチの資料を閲覧する。


「名前はレーイチ・シンドウ……物質を作り変えるユニード、リメイクとカスタムの二つのユニードを持つユニオンコードの使い手だと?二つのユニードの時点でそんなの普通は話題になるだろ」


「いや、待て、あいつが話題になってないのはつい最近来たばかりのコンバーターだからだ!」


「なるほどな。それなら話題になることが今まで無くて当然か」


「だがコンバーターが何でこのゼドに来てるんだ?」


 突如として彗星のごとく現れた二つのユニードを持つコンバーター。一同は興味深くレーイチの動向に視線を向けることとなった。

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