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015 住み込みで働ける職場

「ま、レーイチのユニードは後でもう一回調べよう。二つある線が濃厚だけどね。あとは何だっけ、働ける場所と泊まれる場所だっけ?」


 レーイチの現在抱えている問題の最後、居住地が解決していないことをレーイチも今思い出した。それほど今回の話は衝撃が大きいものが多すぎた。


「衝撃の事実が多くて忘れてました。はい、働く場所と生活できる場所を何か紹介いただけると助かるんですが……」


「ああ、それじゃあ、ここに住み込みで働くってのはどう?」


「いや、展開が早すぎません?」


 またしても急なアザトの提案にレーイチは反応が追いつかなかった。レーイチにとってはまだ居住地を決められていないので大変ありがたいことではあるが、話が早すぎるあまりに何か裏があるのではと思ってしまった。だが、アザトが放つミステリアスなオーラからはそれもあながち間違いではないとも言える。


 しかし行く当てもないため、レーイチはひとまず話を聞くことにした。


「ちなみに仕事と報酬の内容は?」


「仕事は事務作業、アンチコード討伐、その他迷子探しに店のヘルプに護衛とか雑多にくる仕事全般の処理。あとは当番で家事をしてもらうって感じかな」


「つまり何でも屋なんですね」


「賢くて助かるよ。報酬は衣食住の提供に一部屋提供。固定で一か月二十万オーブ。あ、因みにオーブはこの世界、つまり三国共通の通貨ね。あとはこなした仕事に応じて追加で支給。もちろん戦闘が嫌ならそれは除外するよ。アタシとしてはアンチコードと戦えるっていうだけでもかなり貴重な人材だし、ましてや二つのユニード持ちを他所に持っていかれたくはないんだよね」


 一通り説明を終えたアザトはニヤリとレーイチを覗き込んだ。それはレーイチを確実にこちら側へ引き込めるという自信が溢れていた。更に言えば交渉のカードは出し切っていないようにも見えた。今の話からすれば問題は特段感じられないが、そこですぐにイエスと応えるのは少し判断材料が少ないように思えた。


「お金の通貨、オーブの価値が分からないです。例えば飲食店で一か月働いてどのくらいですか?」


「それで平均二十万オーブだね。普通に生きる分には問題ないよ」


「つまり平均は保証し、それ以上は仕事次第で変動ってわけですね」


「そういうこと。あとアンチコードと戦う場合、ゼドに所属することになるから、大規模侵攻を受けた時に招集されるのは覚悟してね」


「大規模侵攻なんて過去にあったんですか?」


「過去に二度あったね。一度目は百年前に北の国ブドルレードで、二度目は五十年前にこの国であってね、それは数えられない程のアンチコードが現れてゼプトの人間は必死に戦った。そして多くの人が亡くなった。アンチコードが未だに現れるのを見ると、たぶん次もあるのは間違いない。そして次の大規模侵攻がいつどこで起きるかは分からない。だから下手な正義感でゼドに所属する選択はおすすめしないよ」


 重みのあるアザトの言葉。大規模侵攻の言葉だけでその悲惨さが伝わってくる。レーイチとアクセリアが二人で戦ったガロンというアンチコード一体でさえ苦戦をしたのだから、それが複数で一度に襲ってくるとなると被害の規模は想像を遥かに超えるだろう。

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