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後悔

作者: 仙人掌

どうしてあんたはいないんだろう。


いつも一緒にいたのにね。


泣けばよかった?


人前で泣けないの知ってるくせに。


行かないでって言えばよかった?


素直に言えないの知ってるくせに。


喧嘩した事なかったよね。


お互いにここまでがギリギリ怒らせないラインって

分かってたから。


お別れの時が最初で最後だった。


あんたが怒った顔を見たの。


怒る事ないじゃない。


あんたがあの子と楽しそうに話してたから

私はあの子の彼氏と話すしかなかったんじゃない。


浮気なんてしてない。


信じてくれないのね。


あんたの事だけ見てたのに。


ああっ。


あんたが私の元を去ってから浴びるほど呑んでるけど

酔わないのよ。


不思議ね。


あれ程お酒に弱かったのに。


あの子のように他の女の子と仲良くしないでって

怒れば良かったのかなぁ。


違うよね。


きっとそんな事ではない。


あんたも何がダメだったのか

何で怒っているのか言ってよ。


言わないでも分かれって?


分からんって。


分からないのよ。


言わないと。


そうか。


そうね。


あんたも私の気持ち分からなかったのね。


私も言わないから。


会いたいなぁ。


外面よくて人当たりよくて爽やか青年で

内面悪くて面倒くさがりでだらしなくて

いつも脱ぎ散らかしを拾って私が洗濯してたな。


最初はありがとうって言っていたのに

いつの間にか当たり前になってたよね。


ご飯作っても美味しいって言わなかったね。


でも不味かったら残すの知ってる。


全部食べてくれるから

美味しかったんだよね?


ああっ。


何かいい事ないかなぁ。


もうお酒無いや。


買いに行くのも面倒。


寂しいなぁ。


人肌恋しいよ。


こんなに泣いても

あんたは来てくれない。





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