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Prologue


『異本』。


 それは、読む者に作用し、在る場所に異変をもたらし、世界を揺るがすほどの力さえ持つ、特別な本。


 そしてここに、世界に776冊存在するというそれを、すべて集めようとする者たちがいた。


 これは、彼らが『異本』を集める物語――ではない。


 その『異本』蒐集のかたわら、たわむれにその『異本』を読んでみた。その記録である。




※本作は『箱庭物語』の番外編です。が、時系列的に齟齬がある場合もございますので、本編とは別の、アナザーストーリーとしてお楽しみください。




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