堕ちた真天使
昨日なろうでは初のブクマが貰えました。死ぬほど嬉しい。
ハルティアラの光の奔流が止むと、そこには六対十二枚の翼に身を包んだ白髪の女性がいた。
「へえ、髪の色が変わるんですね」
「これは真天使へと至った証拠です」
「俺は元の金髪の方が好きでしたよ」
小馬鹿にするように深司がそう言うとハルティアラは手を前に向ける。その表情には先程と違い余裕が見られる。
「ハッ!」
ハルティアラの手から放たれる光の塊。純粋な天使力とは違いハルティアラの性質である光の力が込められているので先程までとは威力が桁違いだ。
「黒凪の型、一式。黒凪ッ」
深司は長剣に堕天力を纏わせるとそのままハルティアラの光を真っ二つにする。
「これも避けますか」
「流石にキツイですけどね」
そう言う深司の手は小刻みに震えているので嘘ではないだろう。そして少しずつではあるが深司の顔からも余裕がなくなってきている。
「では、そろそろ終わりにしましょうか」
「まだ、終わりませんよ?」
「不可能です」
すると深司はニヤリと顔を歪める。
「燃やし尽くせ、<>炎垂の大剣<>」
「それは・・・・・・ミカエルの?」
「ええ、俺の能力で奪いました」
「殺すだけでなく彼女達の誇りまで汚すつもりですか!」
「誇り?そんなものが貴女方に?」
「キサマァァッ!」
深司のあからさまな挑発に乗ってしまうハルティアラ。普段の彼女ならこんなことは無いのだろうがミカエルの天経の柱を見てしまい動揺しているのだろう。
「<天末の光音>!」
ウリエラティア中にハルティアラの歌声が響き渡る。すると次の瞬間深司目掛けて至る所から光の光弾が無数に飛んでくる。
「へえ、歌声が響いた範囲に固定砲台を設置する能力ですか」
「なっ・・・・・・」
自分の技をいとも容易く見破られ驚きを隠せないハルティアラ。そして深司の方と言えばなにも自分で見破ったわけではなく先程電源を入れておいた通信機を通して仲間から報告があったからだ。
「じゃあ俺も少し面白いものをみせますね。<炎垂の人形>」
ブカリオスから炎が溢れるように垂れ出すとそれは次第に人の形を取る。そして驚いた事にミカエルでも一体が限界だった人形を深司は約三十対も作り出した。
「親衛隊!私を守り・・・・・・え?」
ハルティアラが目にした光景。それは自分の親衛隊全員の胴と首が離れているものだった。
「キャァァァァッ!」
ハルティアラは絶叫する。自分が手塩にかけて育てた親衛隊。その中には自分の弟が二人いた。その事実を目の当たりにしたハルティアラの精神の均衡は崩れようとしていた。
「深司!まずいよ!堕天する!」
「それは、まずいかな・・・・・・」
何故まずいか、それは深司の堕天力の性質に関わってくる。深司の堕天力の性質、その本質は白い天使への憎悪。敵が白い天使であり、その天使への害となる事で深司の堕天力さえ足りればほぼなんでもできる。それが深司の力だ。この力で四大天使の天経の柱奪った。ただしそれは相手が白い天使の場合に限る。相手が白い天使以外となると無意識の内に能力が使えなくなってしまう。
「イヤァァァァァァッ!」
ハルティアラの翼が少しずつ黒く染まっていく。その光景はどこか幻想的で一枚の絵画を見ているようだ。
遂にハルティアラの翼が真っ黒に染まる。そしてその表情は驚く程に笑顔なのだがどこか不気味でもある。
「フ、フフフフフフ!」
「深司!」
「ああ!吹雪け、<>氷光の双剣<>」
堕天力を使う事が出来ない深司は今の所四大天使から奪った力だけが頼りだ。これらの力は堕天力を使い奪ったものだが既に一度奪い深司の元に宿っているので堕天力を使わなくても使えると言うわけだ。だが、元々は四大天使の天経の柱だったわけで天使力も使えなければ堕天力も使えない深司では十分にその力を扱えない。
「死んでください」
「うるさぁぁぁぁいっ!」
「くッ・・・・・・」
深司達の耳に嫌な音が鳴り響き三半規管を狂わせる。
「炎垂の人形は、よし。二体残ってるな」
「深司。どうするの?」
「ハルティアラの翼を切る」
「その手があったか!」
「天使と堕天使の翼。それは天使力や堕天力を操るための特殊な器官だ。それを切れば勝機はある」
「私も手伝うよ!」
「助かるよ、じゃあ行こうか!」
パシュンッ!
「え?」
「深司。今のは?」
「あれを見て」
深司とガブリエルがハルティアラの方を見れば彼女の心臓に小さな穴が空いていた。
「諭君だ・・・・・・」
来源 諭。深司達の所属する組織ではある意味最強の男。その男が動くということの意味を深司は良く理解していた。
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