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星空の下で君の笑顔を思い出す  作者: 今宵 涙愛
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幕間 夏月の夢

 夏月の夢 

 

「お母さんお母さん、見て!綺麗な星がたくさんあるよ!」

 私は隣にいる〝お母さん〟の腕を引っ張って歓喜の声をあげていた。

 〝お母さん〟は、何も言わずに微笑んでいる。

「ねぇねぇ、天の川が綺麗だよ!お母さん、お母さんってばぁ。」

 〝お母さん〟が一言も喋ってくれないので、私は駄々をこねた。そうしたら、お母さんは私の頭を撫でた。そのときに、喋ってもいないはずのお母さんの声が、直接頭に響く。

『天の川はね、織姫と彦星が一年に一度会うことができるかけがえのない場所なんだよ。天の川が見える間は、奇跡が訪れるんだ。だから、天の川が見える日、七月七日に産まれた夏月は、奇跡の子なんだよ。』

 ニコッと笑ったお母さんの顔が、今の私には怖かった。

『〝死んだ人は星になる〟って言われてるけど、私はたぶん違うと思う。前にね、太陽はどんどん膨張しているって聞いたんだけどその膨張の理由は、死んだ人が太陽の一部になるからだと思うの。死んだ人が増えるたびに太陽の一部も増えていって、膨張してるんだって。そう、私は考えてるよ。』

 ───これは、明晰夢だ。

 …………だって、私の〝お母さん〟は、その〝太陽の一部〟になってしまったのだから。

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