2.女子のグループ事情。
2.女子のグループ事情。
死後の世界。あなたも気になったことない?本当に天国があるのか、地獄があるのか、または幽霊になれるのか、。でも、いくら考えてもその答えは見つからないわ。だって、死後の世界を知る人は死者だけなんですから。考えるだけ無駄よ。
そうと走らない小学3年の時の私は、なんとしてでもその答えを知りたかった。だって、死後の世界が分かれば死ぬのが怖くないでしょ? だからどうしても知りたかった。なぜかって?死にたかったからよ。
小学3年になっても相変わらずの環境で暮らしていた。それが普通ではない、とまだ知らなかったからどの家もそうなのかと思っていた。そんな時期に、私は人を信じるのが怖くなっちゃったの。
女子と言うものはグループで行動する。当然、その輪に入れない子もいたが、私は何とかグループには入れていた。私のグループは、私を含め4人。俗に言うイケてるグループなどではなく、いたって普通のほうだった。夏休みのある日、グループのリーダー的な子に「プールにいかない?」と誘われた。嬉しかった。私はその場で「行く!!」と返事をした。 数日後、私の父がみんなをプールまで連れて行ってくれた。小学3年生の私達だけでは入らせてくれないプールだったので父に同伴してもらい、私たちはプールを楽しんだ。
いや、楽しむはずだった。
みんなのあとについていくとリーダー的な子が私に「ね、浮き輪持ってきてくれない?」と頼んだ。断る理由がなかった私は、人数分の浮き輪を取りに更衣室に戻った。監視員に怒られないように早歩きでね。浮き輪を持ってプールサイドに戻ると友達の姿はなかった。プールはすごく広いというわけではなかったから、すぐに友達を見つけられた。私の目が良かったから、ていうのもあったかもね。あちらもすぐに私に気づいたようだった。そりゃそうよ、だって浮き輪を4つも持ってたんだもん。嫌でも目立つじゃん。「浮き輪もって来たよ!」 と3人に伝えようとした時、皆私から逃げるように泳ぎ始めた。馬鹿だった私は、「あれ?気がつかなかったのかな?」と、浮き輪をおいてプールに入りみんなを追いかけた。あともう少しというところで、みんながこちらに気づいてくれた。「やっぱりさっきは気づかなかったんだ。」と思ったのもつかの間、「やばい、逃げよ!!!」 と言う声が耳に入ってしまった。それは間違いなく、聞きなれている3人の声だった。そして、その言葉のとおり、3人は私の前から消えた。 嘘でしょ?なんで?みんな、どうして?私を忘れてるよ?私も仲間に入れてよ...。 言いたかった。追いかけたかった。でもできなかった。結局その日はずっと父と一緒にいた。泣いているのを隠すために、ゴーグルを付けずにずっと泳いでた。
帰りの車でようやく気づいた。今回、みんなが私を誘ってくれたのは遊びたかったからじゃない。父に車を出してもらう為だったのだと。だって、遊ぼうって誘ってきたはあの子達なのになんで私の父が車を出さないといけないのよ。もっと早くに気づくべきだった。友達なんて馬鹿馬鹿しい。ただ利用されただけかよ...。「...捨て駒か。」誰にも聞こえないような、小さく低い声でそう呟いた。
家に帰って、その日にあった出来事を母に伝えたかった。どうしたら今後このようなことが起きないのか聞きたかった。でも聞けなかった。なぜか母に声をかけるのが怖くなった。今まではそんなことなかったんだよ?本当に急に言葉が出なくなったの。 シャイになった??そんなかわいいもんじゃないよ。人と関わるのが怖くなったんだよ。 幼いなりに学んだんだよね、 人は信じちゃいけない。ひとりで生きていかなきゃ。弱みを見さてはいけない。 って。 その日をきっかけに、母に話しかけるのが怖くなった。いや、本当はもっと前から心のどこかでは怖いと思っていたのかも。でも、その恐怖がはっきりと表れるようになったのは多分その時期からね。話しかけようとすると心拍数が上がって、手が震える。「もしかしてこれが当たり前なのか。」と思ってたんだけど、これも違うみたいね。驚いたわ。
そんなトラブルがあり、死を考えたってわけ。だって、グループに見放された人に待っている学校生活っ ボッチ じゃない?そんなの嫌だったの。それを回避する方法なんて、小学3年の時は思い浮かばなかった。んで、 「あーそっか、死んじゃえばいいのか。」ていう答えが出たわけ。だって、死ぬのは簡単じゃない? まあ、結局死後の世界が分からないから怖くて死ななかったんだけどね。
小学4,5,6年はそれとなく過ごしてた。新しいグループに入って、知らない間に今度は私がリーダー的な存在になっていた。これまたイケてるグループとは程遠い、男子と馬鹿やってるグループになっていた。 小学校卒業後、父の仕事でアメリカに行くことになった。もちろん、母と弟も一緒に。
アメリカに、私を知る人はいない。また新たに生きようと思い、自分のことを「俺」と言うようになった。
そんな俺に、また新たに問題が...。そしてまた思うのだ。
「あー、死にたい。消えたい。誰か殺してクレナイカナ...。」